top 医療記事特集 応急手当Q&A 休日当番医 健康チェック リンク集 お問い合わせ
北國健康生きがい支援機構
トップページ > 大学プログラム

大学プログラム

北國健康生きがい支援事業
金城大学プログラム

医療健康講演会

 北國健康生きがい支援事業・金城大学プログラムの医療健康講演会「運動しないメタボ対策」は8月30日、金沢市の北國新聞交流ホールで開催されました。「日ごろの身体活動の工夫次第で、意識的に運動しなくてもメタボリック症候群は防げる」と同大の木村朗教授は訴え、メタボ解消や予防に役立つ日常動作の具体例を紹介しました。

【主催】 金城大学、北國新聞社
【後援】 石川県、白山市、石川県医師会、金沢市医師会、石川県歯科医師会、石川県薬剤師会、石川県栄養士会、石川県看護協会

運動しないメタボ対策


日常動作で筋肉を鍛える

自分一人の問題でない

【講師】
金城大学医療健康学部
理学療法学科教授
木村 朗(きむら あきら)氏
 内臓に脂肪がたまり、血圧が高くなったり、さまざまな代謝異常が起きている状態をメタボリック症候群と言います。へそ回りの腹囲が、男性では八五センチ、女性では九〇センチ以上あり、さらに脂質異常、高血圧、高血糖の二つ以上に当てはまれば、メタボリック症候群と診断され、保健指導の対象となります。
 メタボリック症候群で怖いのは、そこから糖尿病や心筋梗塞、脳血管障害の発症に至りやすい点です。特に糖尿病は、進行すると目の網膜の血管が詰まり、破裂して網膜がはがれてしまう糖尿病性網膜症を引き起こします。網膜のはがれたところから目が見えにくくなり、失明の危険性も出てきます。
 車の事故の原因をよくよく調べてみると、実はドライバーが糖尿病性網膜症だったということがあります。もし、事故を起こせば、当事者だけの問題ではなくなり、他人に迷惑を掛けることになってしまいます。
 こういったケースもありますから、メタボリック症候群を自分だけの問題と考えずに、解消や予防に努めてください。

筋肉がエネルギーを消費

 人はなぜ太るのかというと、食べて摂取するエネルギーの量が、体を動かして消費するエネルギーの量よりも多く、脂肪の形で体内に蓄積されるからです。それなら、食事の量を減らせばいいのではないかと思いがちですが、特に四十歳を過ぎた人では、体重の減少は一時的なものにしかなりません。その理由は、加齢とともに筋肉が減ってくるからです。
 筋肉には、エネルギーを蓄えたり燃やす機能があり、筋肉の減少はそのまま脂肪の蓄積につながります。食事の量を減らしても、筋肉が減っていては、肥満の解消にはつながらないのです。
 肥満の予防や解消に、運動が効果的なのはだれもが知るところです。運動は筋肉量を保ち、エネルギー消費にも役立ちます。
 しかし、仕事や家事に追われてそのための時間を確保できない、疲れてやる気が起きないという人がほとんどではないでしょうか。
 そこで、運動不足を補うために、日常生活の中で体を動かして、エネルギー消費につながる身体活動量を増やす工夫をしてみましょう。
 一番効果的な身体活動は、足のももを高く上げてゆっくり歩行することです。いつもより、ももを五センチほど高く上げ、〇・五秒保つ感じで歩いてください。骨盤が後ろに傾き、腹筋が鍛えられます。そして、筋肉量が増えることで消費カロリーが増えます。外へ出てウオーキングする余裕のない人は家の中で足踏みをするだけでもかまいません。
 また、仕事柄、長時間いすに座っていなければいけない人は、背もたれからお尻を一〇センチ離して座りましょう。背筋を伸ばして座ることで筋肉が鍛えられます。
 このほか、一日の過ごし方として、睡眠も含め八時間以上横にならない、背もたれに寄り掛かって座る時間を四時間以下にする、二時間以上立つといったことも心掛けてください。

「愛」が継続の力に

 こうしたことを実行に移す際には、次の三つのことを忘れないでください。
 一つ目は、「少し頭を冷やす」ことです。体重を減らそうとあれこれ運動して逆にストレスをためては意味がありません。ストレスも肥満の原因になります。冷静になる時間をつくり、悪循環を断ち切ってください。
 二つ目は「動きを保つ」ことです。いま申し上げたように、日常生活の中で適度に体を動かすことを意識してください。もも上げや背筋を伸ばして座ることのほかに、例えば、ごろんと横になった後、体を起こして座ってみる、座ったらすぐ横になってみるなど、家族から「せわしないね」と言われるくらい、常に姿勢を変化させてください。
 そして、三つ目は「愛されている」と自覚することです。自分の体は自分だけのものではなく、あなたを大切に思っている人、あなたが大切にしたいと思っている人にとっても大事なものなのだと考えることで、体重コントロールへの意欲を保てます。夫婦で体重コントロールに取り組むとうまくいくケースが多いのも、こうした意識が働くからでしょう。
 メタボ予防や解消に、運動が絶対必要というわけではありません。大切なのは、運動しないときに何をすればよいかを知り、それを実践することなのです。

質疑応答
Q 父が糖尿病で、食事をあまり食べられず心配です。
A インスリンの出ない1型の糖尿病であれば、インスリン注射を打つ治療を受けているでしょうから、身体活動量が保たれていれば、血糖を減らす目的の運動は不要です。
Q 医師からウオ―キングを勧められているが、屋外に出づらい。
A 屋内で、ももを上げる足踏み運動をお勧めします。
Q ゴルフやウオーキングを続けていますが、甘いものが好きなので体重がなかなか減りません。何かいい方法はありますか。
A 甘いものが欲しくなったら、まずはフルーツで我慢を。お菓子を急に食べるのをやめることはできないでしょうから、徐々に減らす努力をしてください。
Q 登山やエアロビクスを続けていますが、80センチ後半から変化しません。ウエストを細くする方法はありますか。
A 同じ運動をずっと続けていると、体が慣れてその運動ではエネルギーを消費しにくくなるので、別の運動にチャレンジする工夫も必要です。


Copyright (C); THE HOKKOKU SHIMBUN All Rights Reserved.
〒920-8588 石川県金沢市南町2番1号 北國新聞社広報部 Maill : ikigai@hokkoku.co.jp