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医療記事特集
びっくり食べ物話

メタボリック症候群 減食始める前に考えて
北國新聞(朝刊)2006年07月31日付

 先ごろ厚生労働省が行った全国調査の結果、中高年男性の半数はメタボリック症候群かその疑いがあると発表された。中高年女性では五人に一人で、全国の該当者は合計約一九六〇万人と想定されている。

生活習慣改善を

 肥満に高脂血症、高血圧、高血糖の四つが重なった状態をメタボリック症候群と呼ぶ。四つのうちの一つを発症すると他を合併しやすい。多く合併するほど動脈硬化を促進し、心筋こうそくや脳こうそくなど血管病変のリスクを高める。一つも持っていない人に比べて、四つそろっている人が血管病変を併発する危険性は、なんと三十五倍に上昇しまうといわれる。厚労省は、油の多い食べ物を控えて、野菜を多く取るようにするなど、生活習慣の改善を呼びかけている。

 メタボリックは「代謝」、すなわち体に入った糖や脂肪などの栄養がエネルギーとして燃やされるということ。メタボリック症候群は、その代謝に異常が起こっておなかの周りに「内臓脂肪」と呼ばれる脂肪がつくことが根本にある。

厚労省の「脅し」

 代謝に異常が起こる最大の問題は加齢である。若いころと同様な食事内容であっても、加齢とともにエネルギーを燃やす力が落ちてくるためいわゆる中年太りになってくる。となると、メタボリック症候群は、加齢に伴う当たり前の現象を、悪いことであるかのように指摘したものということになる。人はいずれ死ぬに決まっているのに、国民は厚生労働省から「このままでは死ぬぞ」脅しつけられたことになるわけだ。

 メタボリック症候群にかかっている人の一年間に使う医療費は、かかっていない人の約三倍にもなるという。厚労省の「脅し」の本当の狙いは、現在の財政危機の中で医療費を抑制することではないかと、勘ぐりたくなる。

 実はいちばん長生きするのは小太りタイプだというデータもある。「脅し」に乗って一斉に「今日から減食だ」とする必要はあまりないかもしれない。しかし、もちろん大太りの人が要注意なのは変わらないが。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)



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