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医療記事特集
びっくり食べ物話

「万能」青ジソ 精神安定、がんも予防
北國新聞(朝刊)2006年09月04日付

 冷ややっこにそうめん、刺し身、酢の物など、涼しげなメニューがうれしいシーズン。これらの料理に必ず添えられるのが青ジソの大葉だ。ともすればただの付け合わせとして、食べられることなく片付けられてしまうことがあるが、じつにもったいない。

「よみがえる」

 シソは漢字で「紫蘇」、その葉は「蘇葉」、種は「蘇子」と書く。「蘇」は「よみがえる」という意味があり、シソは体を元気によみがえらせるとされる。青ジソのビタミンA含有量は野菜の中でも飛びぬけて多く、また、ビタミンE、C、カルシウムも豊富だ。

 シソの葉の強い香りのもとはシソアルデヒドと呼ばれる精油で、胃を丈夫にし腸を整える働きがあり、脳を刺激して食欲を増進する。シソアルデヒドには殺菌・防腐作用も知られている。アジやサバなどの背中の青い魚やイカなどからアニサキス症を発症することがあるが、シソはこの寄生虫を殺す作用がある。刺し身に大葉や、芽ジソ、穂ジソを薬味として使うのは昔からの生活の知恵だったのである。

イライラも解消

 シソにはじんましんを防ぐ効果もあるとされてきた。「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「香蘇散(こうそさん)」「神秘湯(しんぴとう)」「紫朴湯(しぼくとう)」などの漢方薬にもシソが使われており、これらは主に抗アレルギー作用が認められている。

 さらにシソには不眠やイライラ、情緒不安定を抑える精神安定化作用があるといわれる。加藤清正は十六世紀の朝鮮出兵の折、精神不安定に陥りノイローゼ気味だった兵士たちに「香蘇散」を飲ませて落ち着かせたとの伝説もある。

 最近ではシソに含まれるアルファーリノレン酸などの成分が免疫力を高め、脳卒中、がんの予防に役立つという報告もなされるようになった。ともかく今の季節、青ジソを活用しない手はない。青ジソはプランターで簡単に育てられるが、郊外へ行けば野生の群落を見かけたりする。放っておくのはもったいない。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)



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