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秋ナスの様変わり 紫色が、がんに「効く」 |
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北國新聞(朝刊)2006年09月18日付 |
猛暑の時期を乗り切ったナスの木は、少し涼しくなると元気を取り戻したかのようにどんどん実を大きくする。ナスの本当の旬(しゅん)は秋の初めであり、この「秋ナス」は夏に採れるナスよりおいしいといわれる。
そしてこの時期には必ず「秋ナス嫁に食わすな」という言葉が聞かれる。一つは「憎らしい嫁においしいナスを食べさせるのは、もったいない」というしゅうとめの嫁いびりを意味するといわれる。もう一つは、「秋ナスは体を冷やすので、大事な嫁に食べさせるな」というしゅうとめの嫁への思いやりを意味するとも解釈されている。もっとも核家族が普通になった現代では、どちらの意味にせよ若い人たちにはあまりぴんとこないだろう。
●93%が水分
一方、「嫁に食わすな」の「嫁」は「夜目」ではないかという考え方もある。「夜目」とは「ネズミ」のことで、本来「秋ナスはネズミに食わすな」という意味なのだともいわれる。
ところで、このおいしいナスだが、約93%が水分で、他の野菜に多いビタミンやミネラルはあまり含まれていない。そのため以前はそれほど栄養のない野菜と考えられてきた。
ところが近年、ナスやブルーベリーなどの皮の紫黒色の色素は、「アントシアニン」という物質であることがわかり、注目されている。この色素には抗酸化成分「ポリフェノール」のクロロゲン酸などが含まれていて、これには体の老化や動脈硬化を予防し、がんの発生・進行を抑制するなどの作用があるとされるようになった。
ナスにはじつに多くの種類があり、あるものは煮物、あるものはいため物、またあるものは漬物にと使い分けられてきた。
しかし、スーパーなどで見かけるナスは一種類か二種類くらいしかない。漬物には大きすぎ、焼きナスには小さすぎて、まさに「帯に短しタスキに長し」の感がある。その分、憎らしい嫁に食べさせたくないほどのおいしさも割り引かなければならなくなった気もする。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)
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