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ぬか漬け 腸に乳酸菌届ける健康食 |
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北國新聞(朝刊)2006年10月09日付 |
暑い盛りにはぬか床にキュウリを三時間も入れておけば漬物になったのに、涼しくなると発酵菌の勢いが衰えて、漬かる速度がダウンする。おまけにキュウリやナス、ミョウガなど、ぬか漬けにあうとされる野菜の旬も過ぎてしまう。
一昔前、漬物は日本人の塩分摂取過多の元凶のように言われていたが、現在では健康食として見直されるようになってきた。漬物に含まれる乳酸菌などの有用菌が、人体に有益な活動をする腸内細菌の働きを助けるといわれる。乳酸菌といえば、すぐにヨーグルトなどの乳製品が連想される。確かにヨーグルトにも乳酸菌は含まれるが、これを食べても多くの菌は胃の中で胃酸に殺されてしまうので、それほど多くは腸まで届かないという。その点、漬物に含まれる乳酸菌は、たっぷり腸まで届くそうだ。
米ぬかにはイノシトール、フィチン酸、フェルラ酸、ビタミンE、ビタミンB1・B2、食物繊維、ナイアシン、脂質、鉄分、カルシウムと、じつに多様な栄養素も含まれる。イノシトールやフィチン酸は動脈硬化やがん細胞の増殖を抑える働きがあるといわれ、フェルラ酸は肌のトラブルを予防するといわれる。ぬか漬けには乳製品では摂取できない栄養も含まれる。
とはいえ、現在、日本の多くの家庭の食卓ではすっかりぬか漬けの影が薄くなっていて、ぬか床を作っている家庭も少なくなった。核家族化でおばあちゃんの知恵が受け継がれなくなったり、毎日のぬか床の手入れが面倒がられるようになったことも理由だろう。
ぬか床には、一グラム当たり十億個にも及ぶ乳酸菌、酵母、酪酸菌などの微生物がひしめき合っている。じつは彼らこそ本当の漬け物の作り手だ。漬かる速度がゆっくりしてくるといっても、むしろぬか漬け初心者にとっては、温度の低いシーズンこそ失敗が少なくてよいともいわれる。ダイコンやカブ、ニンジンなどの根菜類がおいしくなるこれからのシーズンこそ、ぜひぬか漬けにチャレンジしてもらいたい。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)
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