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医療記事特集
びっくり食べ物話

ジャガイモ中毒 収穫後の日光に注意
北國新聞(朝刊)2006年10月16日付

 ジャガイモによる食中毒が、あちらこちらで起こっている。幼稚園や小学校で、子どもたちが自ら栽培したジャガイモをゆでて食べて、吐いたり下痢をしたりする事件もわりとよく発生しているようだ。

 ジャガイモは発芽時にソラニンと呼ばれる毒を持つ。子孫を残すための大事な時期に、動物などに食べられてしまわないようにする自己防衛の仕組みだ。

 ジャガイモの芽に毒があるという事実は現在も広く知られているはずであり、おそらく小中学校の授業でも教えていると思われる。それなら、ジャガイモの食中毒事件はどうして起こったのだろうか。

 事件が起こったある小学校の例では、教師が子どもに「ジャガイモの芽をしっかり取ってからゆでるように」という指導をした。しかし、芽だけではなく、収穫後日光に当たって緑色になった部分などにも、ソラニンはできるのである。その小学校のジャガイモは収穫したあと日の当たるところに二週間ほど置きっぱなしだったのだという。

 ジャガイモの芽は食べていけないことは知られていても、緑色になった部分まで毒だということまではあまり知られていないようだ。ジャガイモをよく料理する人は、緑色になった部分は食べておいしくないので、そこは厚く皮をむいたほうがいいという知恵を備えている。ジャガイモ中毒の多発は、現代人が自然の食材から学ぶ力を失っていることを物語っているのではないだろうか。

 一方、ジャガイモの毒のことなど知らなくても、「この食品に添加物は入っていないか」「無農薬かどうか」ということには過敏に反応する人は多い。ナマの食材の正体がよくわからないから、その食べ物の出所がやたら気になるということではないか。人を見る目がない人が、相手の肩書きや履歴にこだわるようなものである。食品添加物や農薬の有害性より、ジャガイモ毒のほうがはるかに身近なものだということは、食べ物から学ぶ力のある人にしかわからない。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)



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