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医療記事特集
びっくり食べ物話

「賄い飯」 エビの皮も大事な食材 
北國新聞(朝刊)2006年10月23日付

 中国の料理人が、日本の調理場の様子を見てびっくりした。エビの皮やしっぽ、キャベツのしん、ネギの青い部分などが平気でどんどん捨てられている。「十分食べられるし、いいダシを取ることもできる素材なのにもったいない」とあきれたそうだ。

 しかし、一面で日本の調理場は始末がよいところもある。そこに働く料理人たちが、自分たちの食事のために工夫する「賄(まかな)い飯」がその例だ。客には出せないような材料を利用して、仕事の合間に手早く、しかもプロが食べて満足できるような味の料理を作る。

 ある料理屋で、ダシを取ったあとのかつお節や昆布で作ったというふりかけを分けてもらったことがあるが、おいしくて大変重宝した。腕のいい職人がいる調理場ほど、そこから排出されるごみが少ないということにならないだろうか。

 テレビの料理番組を見ていると、まるで無駄遣いを奨励しているのではないかと思われることがある。「脂肪の部分はきれいにカットしましょう」「皮は厚めにむきましょう」。

 また、家庭では「賞味期限信仰」がまん延していて、賞味期限を一年や二年過ぎても十分食べられるはずの缶詰や瓶詰もどんどん捨てられていく。

 日本の食糧自給率は今なお減少し続けており、四割を切ったといわれる。日本人の食卓の六割以上は輸入食品で占められており、その量は約二五〇〇万トンとされる。これに対して、日本の食べ物のごみは一九〇〇万トンだといわれる。

 何年か前に行われた世論調査では、日本人の八割近くが将来の食糧供給に対して不安を抱いていることがわかった。いつまでも食糧の海外依存や無駄遣いが続けられるわけがないと、多くの人は気づいている。

 冷蔵庫にダイコンやニンジンの切れ端が残っていたり、棚の奥にサバの水煮やマグロの油漬けの缶詰が眠っていないだろうか。それらを活用する工夫ができる人にとっては、日本の将来も少しは明るいはずだ。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)




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