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寝る前の水 夜中の尿意の引き金に |
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北國新聞(朝刊)2006年11月20日付 |
中高年齢になると、夜中に尿意を催してトイレに行くことが多くなってくる。寝ている間に何度も起きなければならないとなると、睡眠障害に結びつくし、もうろうとしながら歩いて何かにつまずいて転んで骨折する可能性もある。夜間排尿に起きる数が増えるほど、心疾患や高血圧、脳血管障害などの疾患が多くなり、生存率が低くなるというデータもあるのだ。
ある泌尿器科医に聞いたところ、最近の中高年者に好ましくない習慣が広がり、それが頻尿を増大させているという。寝る前に水を飲むという習慣だ。
テレビの健康情報番組などで、「就寝前にコップ一杯の水を飲んでおくと、血液がサラサラに保たれるので脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を予防できる」とさかんに言いはやされた。確かに単純に考えると、水を十分補給すれば血が薄くなって固まりにくくなるというのは理屈にあっているように思える。その影響を受けたのであろう、「寝る前に水を飲まなければ」と、強迫観念にかられる人が増えたようだ。
じつは寝る前に水を飲んだ人の脳梗塞や心筋梗塞が少なくなるという科学的データはまったくないそうだ。泌尿器科医は、「健康なお年寄りがとくべつ水の摂取の仕方に気を配らなければならないということはない」と話している。
逆に、体に必要な水分が補給されないと、当然命にかかわる脱水状態を招く心配がある。いうまでもなく適度な水を補給することは、生きる上で欠かせないことだ。となると、その適度な量の水を摂取するためには何を目安にすればいいのだろうか?
一般には「一日二リットルの水を取ろう」という指導がなされたりしている。とはいえ、必要な水分摂取は、その人の体の大きさや機能、運動の仕方などによってまったく違ったものになるはずである。大切なのは、あくまでも「のどが渇いた」というシグナルを重視するということなのではないだろうか。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)
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