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「にがり」とダイエット 過剰摂取に気をつけて |
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北國新聞(朝刊)2006年11月27日付 |
スーパーで「にがり」を売っているのをよく見かける。にがりは豆腐の凝固剤だから、「豆腐の手作りでも流行しているのかな?」と思ったらどうも違うらしい。にがりにダイエット効果があるとの情報が流されていたのである。にがり入り健康食品なるものも登場していた。
本来にがりとは、海水から食塩を取るために水分を煮詰め、食塩を結晶させて取り出した残りの液体である。その主成分は豆腐を作るのに必要な塩化マグネシウムだが、そうした「天然にがり」には貴重なミネラル分も含まれている。
一方、塩化マグネシウムは工業的に作り出すこともできる。そのような塩化マグネシウムもまた、食品に用いる時は「にがり」と表記することが認められている。
さて、にがりにダイエット作用があるとする情報を見ると、「糖の吸収を遅らせる」「糖代謝を促進する」、あるいは「脂肪の吸収をブロックする」などとうたわれている。しかし、これらのことを科学的に証明した研究はどこにもない。
確かににがりでやせることもあるようだ。それは下痢を起こすために、体の水分が排せつされることによって起こる一時的な体重変化にすぎない。なにしろマグネシウムは医薬品では下剤として使用されている物質であり、これを多量に摂取すれば下痢も起こりうるのだ。
下痢を起こせば当然体に必要な栄養素を逃がしてしまうことになる。天然にがりを利用する人のなかにはダイエット効果ばかりでなく、「大事なミネラルを確保しよう」と考える人もいるかもしれないが、それが過剰摂取になれば元も子もなくなる恐れがあるというわけである。
ダイエットといえば、つい先ごろも「白インゲンダイエット事件」というのがあった。現代日本人は「簡単にやせられる」という言葉にじつに弱い。にがりをありがたがるのは、おいしい豆腐にお目にかかった時だけにしたほうがよさそうだ。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)
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