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医療記事特集
びっくり食べ物話

寝酒 いい眠りは得られない
北國新聞(朝刊)2007年01月08日付

 誰(だれ)でもなかなか寝付けない夜がある。お酒を飲める人なら、「ちょっと一杯やるか」と起き出したりする。いわゆるナイトキャップ(寝酒)だ。

 日本大学医学部社会医学講座の兼板佳孝専任講師らは、日本人の不眠に関して探るために、平成十二年に厚生省(当時)が行った全国約二万五千人に及ぶ一般住民を対象とした大規模な疫学調査の解析を行った。

 そのなかで、週に一度以上の寝酒の習慣について調べている。このデータによると、一週間に一回以上寝酒を行う習慣があるものは、男性で48・3%、女性で18・3%であった。寝酒の習慣が最も多い年齢層は男性が五十歳代で約六割、女性が四十代で二割を超えている。

 もっともこの調査では、夜の飲酒習慣をすべて「寝酒」としており、食事時に楽しむ「晩酌」もこれに含めているのである。それにしても、多くの人がお酒を楽しむようになったものである。ちなみに男性の場合は人口五万未満の小都市でお酒を飲む人の割合が50%以上と最も多く、人口五十万以上の大都市では46%程度と少なくなる。反対に女性の場合、大都市に住むほうがよく飲み、二割以上に飲酒習慣がある。

 さて、この研究で寝酒が意外に「寝酒」の役割を果たしていないことがわかった。寝酒の習慣がある人でも寝つきの悪い「入眠障害」のある人が五割を超えていて、その上夜中に目覚める「夜間覚醒(かくせい)」や朝早くに目覚めてしまう「早朝覚醒」は六割近くになる。寝酒は寝つきをよくする効果がないばかりか、夜中や早朝に目覚めやすくしてしまうわけだ。

 よく「酒に頼ってもいい眠りは得られない」といわれるが、その通りらしい。眠れないからといって飲んだり、食べたりすると、かえって眠りの質を悪くしてしまうことが大規模調査で裏付けられたのである。夜飲めば排尿のために起きる機会も増える。眠れない時は、まず入浴、そして読書ということにすべきだと思う。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)



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