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医療記事特集
びっくり食べ物話

学校給食 もう一度価値見直して
北國新聞(朝刊)2007年03月05日付

 筆者のように団塊の世代あたりには、小学校時代、弁当を持って来ることができない同級生がいたことを記憶している人も多いだろう。ある時から給食が始まると、「これであの子たちもお昼ごはんが食べられるようになったのだ」と思ったりしたものだ。それに、みんなで同じものを食べるようになると、残さず食べようと努力するようになり、好き嫌いが減ったような気がする。日本がまだ貧しかった時代、学校給食は確かに子どもたちの健康づくりに大きな役割を果たしていたと思う。

 現在の小学校の給食の様子を取材したことがある。アルマイト食器ではなく、清潔そうな合成樹脂食器に炊きたてのご飯、湯気を立てたみそ汁が盛られている。副食の盛り合わせもきれいで、生野菜なども新鮮そうだ。少なくともその学校の給食は栄養のバランスをよく考えているようであり、おいしそうだった。

 子どもの給食費を納めない親がたくさんいると聞く。「格差社会の中で経済的に困窮している家庭が増えているのか」と思ったら、高級車を乗り回しているような親も珍しくないそうだ。「なら、飽食の時代にあって、給食がおいしくないと感じられているのか」と思ったが、子どもたちは喜んで食べているらしい。

 知り合いの女性がこんなことを言っていた。「うちは食費をできるだけ切り詰めて、家族で旅行に出かけることを大事にしているの」。要するに命と健康を支える食のプライオリティ(優先順位)が低くなっているということなのだ。半世紀前の日本人は、何より食べることが大事だったのに。一方、娘を私立小学校に通わせているある母親がこう嘆いていた。「うちの子の学校は給食がないので、好き嫌いを直す機会がなくて困るわ」。このお母さんは家庭での食事の工夫を放棄していることになる。が、ともかくこのように学校給食の価値を認める人はいるわけだ。

 給食費未納の親も納めた親も、給食の価値をもう一度見直してほしい。(林義人、医療ジャーナリスト=小松市出身)



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