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〔肝がん治療〕 切らずに焼くことも 手術が第一の治療法 |
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北國新聞(朝刊)2006年07月17日付 |
「おなかを開けたけど手遅れで、何もしないでそのまま閉じたんですって。がんって怖いねえ」
こんな話を、だれもが一度や二度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
確かに、最も確実ながん治療はがん組織を切除することである。そして、切除できないケースも多々ある。その中でも残念でならなかったのは、がん自体は小さいのに、合併症の肝硬変(かんこうへん)になっているがために切除できなかった肝がんである。
正常な肝臓であれば、切除しても二、三週間でほぼもとの大きさにまで再生するが、肝硬変を起こした肝臓の再生能力はとても低下しており、手術ができない。
●複数の選択肢
そこで切らない治療法が考え出された。現在では直径一、二センチの小さな肝がんを治療する場合はエタノールを注入してがんを壊死させたり、皮膚の上からがんの組織に刺した針にラジオ波やマイクロ波を流してがんを焼く焼灼(しょうしゃく)療法を用いることもある。
動脈血を絶(た)って肝がんを”兵糧(ひょうろう)攻め”にするカテーテル動脈塞栓(そくせん)療法もよく使われる方法だ。カテーテルと呼ばれる細い管を足のつけ根の大腿(だいたい)動脈から肝臓内の血管に挿入し、スポンジのような塞栓物質をがん病巣に通じる動脈に注入して栓をし、がん細胞への栄養ルートを絶つ。
これらの治療法では、患者の体の負担も比較的軽くなる。手術でがんが切除できないからといって、あきらめる時代ではなくなったということである。
●移植が話題に
医師の間で最も話題となっている肝がんの最新治療法といえば、肝臓移植である。肝がんは肝臓以外にはあまり転移しないからだ。肝臓を取り替えれば、がんのみならず前がん状態とされる肝硬変も解消されるため、欧米では成果を挙げている。
しかし日本では、脳死による肝臓移植がほとんど行われていない。脳死を死と認めたがらない日本人の死生観が影響しているのではないだろうか。(まい・まさよし、映寿会みらい病院名誉院長、金大名誉教授=金沢市)
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