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〔予防薬〕 基本は毎日の生活習慣 ビタミン組み合わせで効果も
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北國新聞(朝刊)2006年08月07日付 |
がんは今や不治の病ではないが、いまだにすべてのがんを予防する薬は登場していない。
最も期待されている予防薬は、タモキシフェンだ。乳がんの増殖を防ぐ効果が認められており、アメリカでは認可されている。
しかし、アメリカが世界に先駆けて一九五〇年代から予防薬の研究と数多くの臨床試験を続けているが、「これさえ飲んでおけば、がんにならない」という薬は、まだないのである。
●ビタミンに注目
アメリカで最初に注目されたのは、発がん物質「ニトロソアミン」の形成を防止する働きをするビタミンCの効果である。ノーベル賞を二度も受賞したライナス・ポーリング博士は、がん予防の啓蒙活動をするとともに、自分も毎日大量にビタミンCを服用し、九十三歳まで生きたという。もちろんビタミンCが長寿に効果的だったかどうかは明らかではない。
ビタミン類は、どれもがんを防ぐ働きをもつといわれ、その中でもビタミンA、C、Eは「がん予防のエース」といわれる。
アメリカで、医師二万二千人を対象に、ビタミンAの先駆体の一つであるベータカロチンの薬剤の臨床試験を行ったところ、肺がんの予防に効果があったという。
●死亡率が減少
中国の山間部、河南省林県は食道がんと胃がんが多い地域である。そこの住民三万人がベータカロチン、ビタミンE、セレンを毎日服用したところ、胃がんの死亡率が二一%減少したそうだ。
日本でも、緑茶や赤ワインに含まれるポリフェノール類、トマトの色素リコペンなどによるがんの予防効果が臨床的に研究されている。
現代はビタミンやミネラルを食事からとるよりも大量に、意識的に摂取している人が多い。彼らががんにならないからといってビタミンが予防薬となったと言い切れないのは、このような人たちは日ごろから健康に関心を持ち、がんの早期発見にも熱心だからだ。
つまるところ、がん予防の基本は、毎日の生活習慣にある。がんに直結する生活習慣をあらためないまま予防薬と見なしてビタミンを大量に摂取しても意味がない。
ただ、遺伝的にがんになる危険性の高い人や、前がん病変を持つ人に対してこうした予防法は大いに効果を発揮するものと期待している。
(まい・まさよし、映寿会みらい病院名誉院長、金大名誉教授=金沢市)
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