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〔膵がんの診断〕 膵液使って早期発見 金大がん研助教授らが研究 |
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北國新聞(朝刊)2006年09月18日付 |
進行が早いため治りにくい膵(すい)がんを「治せるがん」にするためには、早期に膵がんだと診断することが大切だ。そこで金大がん研究所腫瘍内科渡邊弘之助教授らのグループは、膵液(すいえき)を調べて遺伝子異常を見つける方法の開発に取り組んできた。
まずは内視鏡を胃に入れ、胃の背中側にある膵臓に超音波を当てて、がんがないか画像で診断する。
がんではないかと思える影が見つかったら、今度は内視鏡を十二指腸に入れ、十二指腸と膵管が接している部分から膵液を採る。
そして膵液の中で、がん遺伝子であるKラス(ケーラス)遺伝子やがん抑制遺伝子が変異していないかを調べるのだ。
●悪性度を診断
正常な細胞ががん細胞となるのは、細胞増殖を促すがん遺伝子と、それを抑制する働きのあるがん抑制遺伝子が変異したときだ。だから膵液中のKラス遺伝子が変異していれば、がんとなっている可能性が高いことになる。
さらに、酵素テロメラーゼの存在も、がん細胞が活性化している証拠となるため、膵液の中にないかを調べる。
膵臓は消化酵素を作り、血糖値をコントロールするインスリンやグルカゴンというホルモンを分泌している。膵がんだと分かって、膵臓をすべて摘出すれば、これらの働きを失い、手術後の生活は手術前とはずいぶん違ったものとなる。しかし、がん遺伝子などから悪性度をより詳しく診断できれば、悪性度に従って膵臓を切除することもでき、これらの機能への影響も抑えられるだろう。
膵がんを発見するまでには、いくつもの検査をしなければならない。超音波(US)で診断し、血液検査で腫瘍マーカー(がん細胞が作り出す特殊な抗原)を調べる。次はCTスキャンやMRI。さらに十二指腸に内視鏡を入れての胆管膵管造影(ERCP)、MRIによる胆管膵管造影検査(MRCP)、陽電子放射断層撮影(PET)などを組み合わせ、診断するのだから、膵がんの診断がいかに難しいか分かってもらえるだろう。
自覚症状といっても「おなかが痛い」「食欲がない」「背中が痛い」など、体調不良で片付けかねない症状が多い。しかもこれらを自覚したときには、かなり進行していることが多い。
だからこそ、膵がんを早期に診断する方法の確立にわれわれ医師は奔走するのである。(まい・まさよし、映寿会みらい病院名誉院長、金大名誉教授=金沢市)
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