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〔食道がんの治療〕 放射線・化学療法に期待 基本は外科手術 |
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北國新聞(朝刊)2006年11月20日付 |
食道がんの治療の基本は外科手術である。がんのできた部位、広がり、進行度によって切除範囲が決まる。
●8時間の大手術
食道を切除した後は、ほかの消化管を利用して食べ物の通り道をつくる。最も多いのは胃だ。
胸部食道がんの場合、まず胸を開いて、広く食道を切除する。同時に周囲のリンパ節をきれいに取り去る(リンパ節郭清(かくせい))。ついで開腹し、胃の噴門と周囲のリンパ節を取り去る。残った胃(胃管)が、食道の代わりとして食べ物の通り道となる。
胃潰瘍(かいよう)や胃がんなどの手術によって既に胃がない場合は、大腸や小腸が使われる。
言葉にすると簡単な手術だと感じるかもしれない。しかし実際は短くて六時間、長くて八時間もかかる大手術である。
日本食道学会によると、手術後の五年生存率は、全体で35・5%、早期では70%前後と良好である。
手術は頚部(けいぶ)、胸部、腹部にわたって行われるため、体の負担も大きく、思うように回復が進まない。手術前と同じ生活にすぐ戻れるわけではない。手術後すぐに、食事を味わって食べることができるわけではない。飲み込むことが苦手になる人もいる。あせらずに回復を待ち、徐々にもとの生活に体をならしていく必要がある。そして、そこには、家族の温かいバックアップが必要になる。
●組み合わせで力
負担の少ない治療法を追究した結果、注目されているのが、放射線と抗がん剤を組み合わせた放射線・化学療法だ。
食道がんはほかのがんに比べると、放射線の感受性が高い。そこでこれまでも放射線を照射してがんを小さくしてから手術したり、手術後に補助的に放射線を使うことが多かった。
放射線・化学療法では、放射線照射と抗がん剤を併用する。低用量のシスプラチンやフルオロウラシルといった抗がん剤を使うことが多い。これらの抗がん剤は、放射線の効果を高めてくれることが証明されている。新たに食道がんへのドセタキセルの使用も認められた。
条件によっては、外科手術をした場合と同じくらいの治療成績が得られるという報告もある。外科手術が難しい、かなり進行したがんにも使うことができる。
今後大いに期待できる領域である。(まい・まさよし、映寿会みらい病院名誉院長、金大名誉教授=金沢市)
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