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〔悪性リンパ腫〕 末期がんでも半数治る 放射線や化学療法が効果的 |
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北國新聞(朝刊)2006年12月25日付 |
「がん=命を失う」という考えは捨ててくださいと言えるほどに、近年のがん治療の進歩はめざましい。その中でも目を見張る勢いで進んでいるのが、悪性リンパ腫の治療だ。
悪性リンパ腫は、全身のリンパ節や、扁桃腺(へんとうせん)や胸腺、胃や腸のリンパ組織にできるがんである。
●「ぐりぐり」で来院
首、わきの下、太ももの付け根などは体の表面から触れるリンパ節だ。これらの場所に「ぐりぐり」があることに気づいて病院を訪れ、悪性リンパ腫と診断されることが少なくない。ただし健康な人でも首やそけい部に何かあると感じることがある。直径一センチ以下で、扁平(へんぺい)でやわらかな弾力のあるリンパ節は心配ない。
悪性リンパ腫の治療の進歩は、腫瘍細胞の種類や病期が正確に診断できるようになり、きめ細かい治療ができるようになったから実現した。病巣の一部を採取して病理医が診断したり、CT、MRIなども用いる。胃や腸管の悪性リンパ腫では、内視鏡と生検を使って診断する。
放射線や化学療法がとてもよくきくため、正確に診断されしかも全身に広がっていないリンパ腫は高い確率で治すことができるのだ。
私が専門とする消化器にも悪性リンパ腫が発生することはまれではない。かつては見つけ次第、手術で取り除いたが、今は外科的な治療よりも放射線や化学療法で治すことのほうが多い。
例えば、胃の表層にできるマルトリンパ腫(MALT)は、がんの誘因とされるヘリコバクター・ピロリ菌との関連が指摘されていた。実際、ピロリ菌を除菌することでリンパ腫細胞が完全に消えてしまうケースも経験した。
わずかここ十数年の間に、より効果的に治す方法が登場しているのである。
●油断は禁物
ただし、油断は禁物である。悪性リンパ腫は若い人もなるが、患者の多くは四十歳以上。六、七十歳がピークのがんである。全身に広がってしまった進行がんでは、命を落とすことも少なくない。いろいろな種類がある悪性リンパ腫の中で、日本人のほとんどは非ホジキンリンパ腫である。その治癒率は、早期のI期ならば90%以上。U期では80%。しかし、V〜W期では、いまだに50%前後なのである。
非ホジキンリンパ腫の治療は、悪性度によって治療法が変わる。比較的早期(I期、U期)では、放射線療法が主体。V、W期では放射線療法と化学療法を併用。化学療法が効いてもすっきりと治らなかったり、再発した場合には、造血幹細胞移植や免疫療法が行われる。(まい・まさよし、日本がん学会名誉会員、金大名誉教授=金沢市)
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