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〔ガイドライン〕 治療を選択する参考に 医師とは共通認識を |
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北國新聞(朝刊)2007年02月05日付 |
自分ががんになったことを知ると、それがどんな病気なのか、どういう治療法があるのか知りたくなるのが人情だ。がん患者が増える一方のこのごろは、専門書のみならず雑誌やインターネットにも、がんにまつわる情報があふれ、医師顔負けの情報通の患者さんも珍しくない。
大切なことは、情報に振り回されないということだ。がんと闘う主役は患者であり、医師は重要な参謀である。そして最先端の研究やニュースは闘うための武器に過ぎない。主役と参謀ががんという敵に対して共通認識を持たなければ、最前線での行動は乱れる。
何を信じればよいか迷ったら、担当医の言葉のほかに、がん専門医が作成したガイドライン(指針)を参考にしてほしい。私の専門である胃がんでは、日本胃癌(いがん)学会が「胃癌治療ガイドライン」を作成し、二〇〇四年に改訂版を出版している。胃がんの進行度(がん深達度とリンパ節転移の程度)に従った治療法が掲載されており、治療を選択する上での現実的な目安となる。
●01年に金沢市で発表
実は一九九八年に日本胃癌学会内に標準治療検討委員会で発足し、胃癌治療の実態をアンケート調査したところ、医師の間でも方針がバラバラ。同じ病院で診療に当たる外科医の間でさえ統一されていなかった。検討委員会の副委員長を務めていた私は、驚きを通り越し、あぜんとし、治療を標準化するためガイドラインの作成にとりかかった。それが、二〇〇一年に金沢で開かれた日本胃癌学会(会長・三輪晃一金大教授、当時)で発表されたという経緯がある。
一九八〇年代までは胃がんといえば胃の三分の二以上を切除する「広範囲胃切除」と、胃の周囲のリンパ節を広く切り取る「拡大リンパ節郭清(かくせい)」が標準的で画一的に行われた治療法だった。しかし、診断法の進歩や検診の導入で発見が増えた早期胃がんには、リンパ節転移していないものが多い。内視鏡下手術や縮小手術でも根治でき、画一的な拡大郭清は必要がなくなった。
●有効な治療法知る
現在は、根治するために過不足のない治療法や手術後の生活の質の低下を防ぐ手術を選ぶ時代だ。内視鏡による手術をはじめ、胃の機能を温存するための幽門(ゆうもん)保存手術や神経温存手術などがどの段階ならば有効なのかをガイドブックを目安に知ることも、がんと効率的に闘うために必要なのだ。(まい・まさよし=日本胃癌学会特別会員、金大名誉教授)
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