|
|
 |
〔入院前の準備〕 治療法、リスクの確認を 見通し立てば気力わく |
|
北國新聞(朝刊)2007年02月26日付 |
急性虫垂炎(ちゅうすいえん)の手術いわゆる盲腸(もうちょう)の手術ならば、医師から「虫垂炎ですね。手術しましょう」と言われても、身近に経験者が多いだけに、割合、平静に受け止めることができるだろう。
しかし、がんとなると、どんな治療があるのか、皆目検討もつかない人がまだ多い。そのため手術となると、「手術するほど深刻な症状なのだろうか」と不安をおぼえる人も多いようだ。
●「おまかせ」は駄目
進行度や治療法を説明しているとき、心ここにあらずといった様子の患者は少なくない。「細かいことを聞いても始まらない。すべておまかせする」という患者もいる。
それじゃあ、こちらでいいようにしておきます、というわけにはいかない。がんと闘う最前線では、医師が最善を尽くすだけではなく、患者自身が根治に向けて努力しなければならない。
そのためにもがんが見つかった人に最もしてほしい治療のための準備は、担当医に診断の根拠を確かめ、進行度を把握し、具体的にどのような治療をするのかを知ること。そして、治療による合併症や副作用のリスク、治療期間、必要な医療費などを確認すること。これらが、入院用品を買いそろえるよりも先に、必ずしてほしい準備なのである。
私の専門の胃がんの治療法は主に、内視鏡治療、手術、化学療法の三つに分けられる。
●生活を思い描く
「ごく初期の早期がんであれば、体にメスを入れなくてよい内視鏡手術が可能で、一週間程度で退院できる」「早期がんなら、胃の出口である幽門(ゆうもん)と胃の周囲や胆嚢(たんのう)の神経などを残して胃を切除する縮小手術ができるため、手術後、下痢や胆石が起こりにくくなる」など、詳しく知れば知るほど、治療の前後で生活がどう変わるのか具体的に思い描ける。仕事や学業にいつ復帰できるのか、見通しが立てば、治療への気力もわくものだ。
まい・まさよし=日本胃癌学会特別会員、金大名誉教授
|
|