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〔縮小手術〕 切除する範囲小さく 後遺症減り回復早まる |
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北國新聞(朝刊)2007年03月05日付 |
「早期のがんだったから縮小手術ですんだ」と言われると、どの程度の手術を想像するだろうか。
患者によっては、がんだけを局所的に切除することを考えるが、必ずしもそうではない。
●定型手術との比較
私の専門である胃がんを例に説明しよう。極めて早期のがんの場合は、内視鏡を使った手術で、粘膜内のがんだけを切除する。しかし、早期でも粘膜下層まで浸潤(しんじゅん)したがんは、がんもろとも胃を切り取るほかに、胃の周囲のリンパ節を切除しなくては、根治は望めない。その結果、たとえがんの直径が三センチであっても、胃を半分ほど切り取ることにもなるわけである。
「縮小」という言葉は、定型手術に比べて、小さな規模の手術であるととらえればよいだろう。
一九八〇年代までは、胃がんといえば、どんなに早期といえども、胃の三分の二以上を切除し(広範囲胃切除)、胃を二重、三重に取り巻くリンパ節をすべて切除していた。方法はがんの発生場所によって変わるが、大まかに言えば、これが定型手術である。
しかし、研究を重ねた結果、がんの進行度に従って、胃とリンパ節の切除範囲を縮小できるようになったわけだ。
代表的な縮小手術に、幽門(ゆうもん)保存胃切除術(PPG)がある。胃の出口である幽門部を一部切らずに残し、胃の周囲の神経を温存することにより、命を救うことはもちろん、手術の後遺症である下痢や胆嚢(たんのう)結石を減らすことができる。
器具の進化のおかげで、切除すべき場所にねらいを定め、その部分の腹部を最小限切って手術することができるようになった。腹腔鏡(ふっくうきょう)という一種の内視鏡と、特殊な器具を使って胃を切除する、腹腔鏡手術も普及しつつある。
●開腹7センチの例も
写真の患者は胃がんを手術して二年がたつ。点線で囲んだ部分に、縦に長さ七センチの手術跡があるが、よほど目を凝らさないと分からない。
切開部の大きさは、一概に小さいほうがいいとはいえないが、大きな傷より小さな傷の回復が早いことは事実である。
まい・まさよし=日本胃癌学会特別会員、金大名誉教授
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