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医療記事特集
がん最前線

〔根治への道〕 より効く抗がん剤登場 早期は手術で切除
北國新聞(朝刊)2007年04月09日付

 運良くごく早期に胃がんが見つかった人に、がん細胞を切除して治療する旨を伝えると、「手術は嫌だから、薬で治してほしい」と言われることがある。

 残念ながら、それはできない。

 手術と投薬。病気にあまり縁のない人は、薬を飲むほうが手術を受けるよりも体に負担がかからず、時間もかからないというイメージを抱いているようだ。

 しかし、がんを治すということは、がんを体内からすべてなくすということ。薬でがん細胞を退治するためには強力な効き目が必要であり、副作用も大きくなる。また、抗がん剤は進行がんのように増殖の盛んな細胞によく効く。よって早期の胃がんの場合は手術で切除したほうが、体、時間、金銭の負担は少なくなる。

 ただ高度に進行した胃がんでは、抗がん剤と呼ばれる薬を投与したほうが、手術だけよりも治療の効果が上がることもある。

カプセルの飲み薬も

 薬も飛躍的に進化している。これまでの抗がん剤は、注射や点滴で投与するため、治療を受けるには入院しなければならなかった。しかし近年使われているカプセル状の飲み薬「TS―1(ティーエスワン)」は外来で投与でき、抗がん剤治療の新しい可能性を示している。

 この薬はフルオロウラシル(5―FU)という抗がん剤をもとに開発された。進行・再発胃がん患者に単独で使った場合の奏功率(がんの大きさがほぼ半分以下になりその状態が四週間以上続く割合)は49%と、「5―FU」以上に高い。従来の薬より効く薬が登場したわけだ。

大切な服用管理

 それでも、すべての人に効くわけではない。しかも、飲むだけという手軽さにより、危険度が増した。TS―1と一緒にほかの経口抗がん剤を飲んで死亡した例もある。赤ちゃんや他人が間違って飲めば亡くなる危険性もある。使い方を間違えば、薬が毒になってしまうのだ。これまで以上に確実に服用を管理することが大切だ。

 早期発見、早期治療によって、がんは治る病気となった。それでも薬をひと粒飲めば治るというのは、まだまだ夢物語。これからも抗がん剤が進化することを願っている。



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