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医療記事特集
がん最前線

〔人工肛門〕 装具は飛躍的に進歩 社会復帰が可能に
北國新聞(朝刊)2007年07月30日付

 肛門のごく近くにできた直腸がんを手術で切除した場合、肛門の機能は失われるため、人工肛門を造る。

腹から排せつ

 この、人工的につくる便の出口を、病院ではストーマと呼ぶ。結腸もしくは小腸の一部をおなかの壁まで出して、そこから排せつするのだ。

 生まれつき私たちの体に備わっている肛門との最大の違いは、括約筋(かつやくきん)がないため、排せつを意識的にコントロールできないことだ。接着剤のついたプラスチックの袋を人工肛門にかぶせ、定期的に袋ごと取り替えることになる。

 おなかから排せつすることになると初めて知ったとき、患者さんは皆、複雑な表情をする。

もれる心配なし

 だが、ストーマの装具の質は飛躍的に向上しており、ほとんど失敗なく取りはずしできるようになった。仮に仕事中や通勤の途中で排せつされてももれる心配はなく、ストーマを造設後に仕事に復帰するケースは珍しくなくなった。

 さらに、手術後数カ月もすれば、毎日決まった時間に便が出るようになる。

 毎朝決まった時間に一リットル近くのぬるま湯を人口肛門から注入して一気に洗い出す洗腸法を行えば、翌朝まで排便はない。そのため、一日中、人工肛門に袋を張り付ける必要もなく、ガーゼを一枚当てておくだけよい。

 人工肛門の管理の専門家、ストーマ管理士(ETナース)も養成されており、担当医とともに使い方を手助けする。患者会(オストメイト)もある。人工肛門をつくった後の社会復帰が、百パーセント可能な時代になった。

 まい・まさよし=伊藤病院・内視鏡センター長・副院長、金大名誉教授



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