|
|
 |
〔早期の大腸がん〕 6割は開腹せず治療 陥凹型も内視鏡で切除 |
|
北國新聞(朝刊)2007年08月06日付 |
がん治療の原則は、がんを根こそぎ取り除くことである。数ミリでも、がんはがん。放っておけば死につながる。現段階で最も体に負担の少ない治療法は内視鏡治療であり、今や早期大腸がんの六割は、開腹手術をせず、肛門から内視鏡をいれて治療している。
●ほとんどは隆起型
早期大腸がんのほとんどは、隆起型ポリープから発生する。これは出っ張った腺腫(せんしゅ)の中に微小ながん細胞が混在している状況であり、転移の心配はない。キノコのように茎のある有茎性ポリープの場合、大きさ二〇ミリくらいまでなら内視鏡で切除できる。
内視鏡を使うことで、レントゲンでは発見できなかった陥凹(かんおう)型の大腸がんが二十年前に日本で発見され、今や内視鏡による早期発見、治療ができるようにもなった。
かいようのようにがん病巣がへこんでいる陥凹型のがんは、二十年前までは大腸にはできないと考えられていた。ところが、秋田赤十字病院の工藤進英医師(当時)らが拡大内視鏡を使って陥凹型の大腸がんを次々と発見し、それらが進行がんへ移行する過程も証明した。当初は「秋田の風土病」とも言われ、多くの専門家が認めなかったが、内視鏡の普及と進化とともに、工藤医師以外の内視鏡医らによっても数多く確認された。
●速く深く潜る
陥凹型の大腸がんの多くは、腺腫とならずに粘膜上に直接がんとして発生する「デノボーがん」の一種だと考えられている。このがんは、小さくてもとても速い速度で深く潜る発育パターンを取るため、性質も悪いだろうと考えられている。それでも粘膜内にとどまっていれば、リンパ節転移のリスクもなく内視鏡で治療できる。
がん病変が隆起であろうが陥凹であろうが、あるいは大きかろうが小さかろうが、内視鏡で切除したがんを顕微鏡で検査して、がんが粘膜下層に浸潤しているものをSMがんという。このSMがんの6、7%から10%がリンパ節転移の可能性があり、腸管切除とリンパ節郭清(かくせい)のための開腹手術が必要であるとされている。ただ手術の結果、リンパ節に転移していないものが九割と圧倒的に多いため、SMがんをどのように扱うかが、現在の最大のテーマだ。
内視鏡で摘出された標本を顕微鏡で調べて悪性度の高い組織型だと確認されたり、リンパ管や血管にがんが入っていることが認められたら、手術は不可欠である。
|
|