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医療記事特集
がん最前線

〔外来化学療法〕 在宅で安心して治療 受け入れ態勢の準備必要
北國新聞(朝刊)2007年09月03日付

 私が世話人代表を務める北陸臨床腫瘍研究会という会がある。北陸三県でがんなどの悪性腫瘍(しゅよう)を診療する医師が所属しており、八月の会合では、外来化学療法がテーマとなった。切除できないがんを入院せずに抗がん剤を使って小さくする治療の中から、北陸でも行われている先端治療を紹介する。

新抗がん剤が登場

 外来化学療法は、肺がん、乳がん、婦人科がん、胃がん、大腸がんなどで行われる。中でも大腸がんの治療成績がめざましく向上している。それを支えたのは日本で開発され、一昨年ようやく国内でも発売されるようになったオキサリプラチンという抗がん剤だ。

 このオキサリプラチンとフルオロウラシル、レボホリナートという三種類の抗がん剤を組み合わせて行うFOLFOX4(フォルフォックス4)と呼ばれる治療法は、今や大腸がんの世界の標準となり、北陸でも行われている。

 オキサリプラチンを投与後、レボホリナートを二時間かけて静脈に点滴する。その後すぐにフルオロウラシルを急速に注入し、さらに同じフルオロウラシルを二十時間以上かけて点滴する。

 長い時間を要する治療だが、患者が病院にずっといる必要はない。肩の近くに器具(ポート)を埋め込めば、フルオロウラシルの入った携帯用ポンプを持って帰宅できる。

 点滴などが一回ですむ方法もある。また、オキサリプラチンに代えてイリノテカンを使う治療法もある。

 これらの外来化学療法は、最初は入院して治療し、後に自宅で療養を続けるということが多い。何と言っても、住み慣れた自宅で、安心してがんの治療を受けられる点が利点だ。

生存期間、倍以上に

 これらの新しい治療法により、生存期間は平均して従来の二倍以上延びた。総じて痛みを感じることも少ない。

 しかし、手足のしびれや感覚の麻痺(まひ)、貧血、吐き気、脱毛など副作用が起こることもある。われわれ医療側は、強い副作用が起こったら患者がすぐに入院できる態勢を整え、患者が安心して快適に治療を受けられるように準備しておく必要がある。

 まい・まさよし=伊藤病院・内視鏡センター長・副院長、金大名誉教授



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