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医療記事特集
がん最前線

〔セカンドオピニオン〕 公正な見解、決断の参考に 不安で迷う患者に対応
北國新聞(朝刊)2007年10月08日付

 主治医が示した治療方針や病状についての「第二の意見」をほかの医師に患者が求める「セカンドオピニオン外来」で多い相談は、どの病院で手術を受けたらいいかということと、「化学療法などで、何か新しい治療はないか」という内容の相談である。

「この病院で…」

 前者は、がんというなじみのない病気への不安と、「この病院、この医師でよいのだろうか」という迷いが原因となっているようだ。後者は再発した患者や、難治性のがんの患者からよく受ける相談だ。私の中高時代の同級生の奥さんも、再発したことからセカンドオピニオンを求めて私を訪ねてきた。

 奥さんは、膵内胆管(すいないたんかん)がんと診断され、膵頭十二指腸切除術を受けた。病理検査の結果から見て、治るだろうとの見込みで、術後の経過も良好だった。

 しかし手術から二年半後の定期検査で、大動脈周囲や肝門部のリンパ節が大きく腫(は)れていることが分かり、転移が疑われた。PET(陽電子放射断層撮影装置)検査を受けたところ、やはり再発が確認され、主治医から、口から飲むタイプの抗がん剤の服用をすすめられたという。

 同級生夫婦は、私のところにセカンドオピニオンを求めると同時に、その当時、週刊誌でがんについて連載していた東京のがんの専門医、平岩正樹医師を訪問し、意見を聞いた。

どう付き合うか

 セカンドオピニオンを聞く意味は、患者自身が納得して治療を選ぶことにある。つまり、がんとどうやって付き合うかを決心するということだ。

 薬で痛みを抑え、働いたり家族と過ごしながら、自宅で療養していきたいのか。医療スタッフが身近にいる病院で過ごしたいのか。高額で、リスクも大きいが、効いた場合の効果もいちじるしい最新治療を選ぶのか。めざましい効果は期待できないかもしれないが、長年行われてきて一定の実績のある治療を選ぶのか。

 主治医から示された治療方針を基に患者がこうした決断をするために参考になる説明をするのが、われわれセカンドオピニオン外来で対応している医師である。

 同級生の奥さんに、私は膵がんに効果を示すと言われる抗がん剤ゲムシタビンをすすめた。平岩医師もそれがベストだと言ったことから、奥さんは私が当時勤めていた病院で、注射でゲムシタビンの投与を受けた。二十一回の注射を受けた後、PETで検査すると腫瘍(しゅよう)は消えていた。

 まい・まさよし=伊藤病院・内視鏡センター長・副院長、金大名誉教授



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