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医療記事特集
がん最前線

〔免疫療法(3)〕 取り入れるタイミング考えて 高額な費用が課題
北國新聞(朝刊)2007年11月26日付

 免疫療法をどの時点で取り入れるとよいのか。今春から金沢市の金沢聖霊総合病院で免疫療法を行っている土屋晴生医師によると、日本ではまだ、他に打つ手がなくなってから免疫治療を受けにくることが多いそうだ。

 しかし、免疫療法の一つである活性化リンパ球療法には、肝臓がんや脳腫瘍(しゅよう)の再発防止の効果もあることが分かっている。手の施しようがない状態になる前に免疫療法を受けることを考えたほうがいいと、私は思う。

 再発防止効果を具体的に紹介しよう。国立がんセンターは再発しやすいことが特徴である肝臓がんに対し、活性化リンパ球を投与する臨床研究を行った。対象となったのは約百五十人の症例である。

 結果として再発を抑える効果が認められたほか、再発した例でも、再発までの期間が一、二年遅れた。

 日本の肝臓がんは、ウイルス性肝炎が原因となっていることが多く、たとえ早期に発見されて完全にがんが切除できたとしても、五年間で80%が再発している。免疫療法で再発を避けることができたらこれにこしたことはない。

自宅療養期間を延長

 また、活性化リンパ球療法による腫瘍縮小効果は、化学療法や放射線治療に比べて遅いことは事実である。それでも、この治療を受けることで、入院することなく家で過ごせる時間が延びるという報告もある。

 完治できなくても患者が望む状態で自宅で過ごせる期間をのばせるということは、重要なことである。

 土屋医師は、活性化リンパ球療法を受けている女性患者から、肌が若返ったと喜ばれたこともあるという。極端に言えばアンチエイジングということになろうか。

1回投与で20万円

 ただし問題がある。免疫療法には健康保険が適応されないため、自費診療となる。従って、リンパ球を一回投与するたびに二十万円を要するなど、患者の経済的負担は大きくなる。一部のがん保険ではこの療法が支給対象となる場合があると聞いている。しっかり確かめたい。

 まい・まさよし=伊藤病院・内視鏡センター長・副院長、金大名誉教授



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