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〔課題〕 制圧は国家的事業 心ある専門医養成が急務 |
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北國新聞(朝刊)2007年12月31日付 |
がんは一九八一年以降、日本人の死亡原因の第一位を占めている。今では日本人の死亡原因の約三割ががんなのである。
私たち専門医は、その事実を肌で感じている。だからこそ、がん検診を呼びかける事業には進んで参加するし、開業医の皆さんも全国で「金沢市医師会方式」とたたえられるような、がんの診断システムを確立し、運営している。内視鏡やヘリカルCTをはじめとする検査機器も、日進月歩で進歩している。それでも、がん患者が加速度的に増えていることを肌で感じている。
今や、がんには何らかの国家的戦略が必要である。
●もっと臨床研究を
日本でも国を挙げての対がん戦略が進められている。私も金大在任時代にがん特別研究班に六年にわたって参加した。研究班には全国から優秀な医学者が集まっていた。しかし並みいる基礎医学者の話は、臨床でがんと闘う私たちが求めるものとはあまりに離れていた。
第一次、第二次対がん戦略は、基礎研究重視の傾向が強かったが第三次では臨床がん対策が取り上げられ、予防、診断、検診、治療のすべてに研究成果が導入されている。
がん対策基本法も成立した。この法に基づき、都道府県はそれぞれのがん対策推進計画を策定することになる。そのときにがん拠点病院が中心的な役割を果たすことになる。
●「縦割り」も解消
縦割り行政を見直して厚生労働省のみならず文部科学省も、がん専門医の養成を目指したがんプロフェッショナル養成プログラムを主導している。
少しずつ少しずつ、がんと闘う形はでき上がってきた。後は魂を入れなくてはならない。
プログラムをこなす。シンポジウムを開いたり講義数を増やしたり、スタッフの頭数を増加する。それだけではがんに苦しむ人を助けられない。
完治できるという保証をいまだできないがんを治療するときには、がんと告げられたときのショックや、完治できなくても痛みに苦しまない方法などを患者に寄り添って考える必要がある。そんながん医療が目指すところを明らかにして、国を挙げて効果的な治療を考えるべきだ。心も技もあってこそ国家的な事業となる。
(まい・まさよし=伊藤病院・内視鏡センター長・副院長、金大名誉教授)=おわり=
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