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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔上手に汗をかく〕 風を受けて歩こう 米食べて水分補給
北國新聞(朝刊)2006年08月23日付

 最高気温が三二度を超す日が続くと、気温が皮膚温より高くなるため、体から熱を逃がす方法は汗だけとなる。

 高齢になると皮膚を流れる血液によって体の中の熱を外へ運ぶ能力が落ちてくる。だから、高齢者にとって汗をかくことは特に重要になる。暑い季節に速歩や買い物、筋肉トレーニングをして汗をかくことは、体の熱を逃がすことになる。積極的に行いたい。

背筋伸ばして

 問題は、汗をかくときの姿勢と服装だ。高齢者は、姿勢が悪くなり前かがみとなるため、体が空気と触れる面積が少なくなり、体の熱が逃げにくくなる。暑くなればなるほど背筋を伸ばして胸を張って、体を開いて運動したい。

 具体的には、まず、両肩を後ろへ軽くひいて立つ。この姿勢を保ちながら、ゆっくりと深く五、六回呼吸する。そのままの姿勢で遠くを見て背筋を伸ばして歩く。これだけで体を支える起立筋という筋肉を貯(た)めることができる。風を受けて木陰で行えば、より効果が高まる。

 汗をかいても風を受けなければ蒸発しない。体温が下がらないので、さらに汗をかいて体の水分を無駄に失った結果、熱中症になることもある。

 しかし通気性のよい、ゆったりとした衣服を着て、肌に風をよく当てれば、肌表面に浮かんだ汗が蒸発し、体内の熱を上手に逃がしてくれる。

 暑い季節に運動するときには、汗を吸収する綿より、化学繊維の服を身に着けたい。綿シャツを着たまま汗をかくと、肌とシャツの間の湿度が高くなってたくさん汗をかく。だが、これは熱を逃がす役をしない、無駄な汗だ。

 暑い季節の「貯筋(ちょきん)」のための運動でもう一つ気を付けるべきは、米をしっかり食べることだ。

 人間は犬などと違い、汗などで失った量の水分を水を飲むことで即座に補給できない。どんなに頻繁(ひんぱん)に水を飲んでも運動時間が長いと、飲んだ水は汗として流れるだけで、細胞内の水分は足りないままの状態が続くのだ。

 ここで米が活躍する。運動による脱水を防ぐには、十分な量の水を飲んだ上で、米を、朝はもちろん夕食にも食べることが効果的だ。

 夜食べた米が分解されるときに、体の中で多くの水分が作られる。その量は一日に必要な水分量に匹敵し、寝ている間に、じわりじわりと細胞に水分が補給されるというわけである。

麺類もお薦め

 暑くなると食欲が落ちて、ほかほかのご飯を食べられなくなるという人も多い。これは病気ではなくて、脳の中の食欲中枢(ちゅうすう)と体温中枢が近い場所にあるため、暑さのせいで体温が高くなると食欲がなくなるという、ごく自然な現象だ。

 そんなときは無理をせずに、のど越しのよい麺類(めんるい)を食べる。少し熱めのシャワーやふろに入るのも効果的だ。入浴後は汗をかくため、涼しく感じ、食欲が目覚める。(平下政美金城大教授=金沢市)



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