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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔草むしり〕 太もも鍛え持久力アップ 水と塩分で熱中症防ぐ
北國新聞(朝刊)2006年09月06日付

 朝晩が少し涼しくなると、夏の間に伸び放題だった庭の手入れを始める人が多い。庭仕事の中でも草むしりは、立派な「貯筋(ちょきん)」運動である。

 草むしりをするとき、姿勢に少し気を付けるだけで、自分の体重で太ももの筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)や縫工筋(ほうこうきん)を鍛えることができる。

足裏は地面に

 大腿四頭筋が衰えると、しゃがんだ姿勢から立ち上がるときにふらつく。西洋の縫い物職人が足を組んで鍛えていたという縫工筋が衰えると足の運びが悪くなる。双方共に、いつまでも元気で歩くために欠かせない筋肉だ。

 草むしりするときのおすすめの姿勢は二つある。

 一つ目は、片足は足裏すべてを地面に着けて膝(ひざ)を立て、もう片足はつま先を立て、かかとでおしりを支えるという姿勢だ。

 もう一つの姿勢は、足裏を地面にべったりとつけ、つま先を外側に大きく開き、小さないすに腰掛けるという姿勢だ。この姿勢は太ももの内側のストレッチ効果も高い。

 こうした姿勢を保つ時間は短いほどよい。せいぜい一分だ。場所をこまめに変えよう。知らず知らずのうちに「貯筋」できる草むしりは持久力アップにつながり、心も晴れるという効果もある。

 しかし一方で草むしりは熱中症の原因となりやすいのも事実である。熱中症の原因を調査したところ、高齢者の原因のほとんどが、家の周りの草むしりであった。

 この季節は日影でも地表近くは三四度ぐらいになる日もある。しかも筋肉を鍛える草むしりの姿勢を取り続けると体温が上がる。さらに背を丸くした姿勢は温度を逃がさない。その結果、大量に汗をかき、熱中症を起こしやすくなる。

 草むしり中には、歩いているときよりもはるかに多くの汗をかくため、血が濃くなり、流れにくくなる。血液が流れにくくなると、筋肉が酸素不足となって動きが悪くなり、心筋梗塞(しんきんこうそく)さえ起こしかねない。さらに汗を大量にかくと血液中の乳酸や尿酸などの濃度が高まり、腎臓などにダメージを与える。

 これを防ぐために、草むしりで汗をかいたら、まず、水や冷たい番茶を飲む。次に、スポーツドリンクなど薄い塩分を含んだ飲料や梅干しなどを取る。その後は水とスポーツドリンクを交互に飲めば血液の塩分濃度が正常に保たれ、水分を体にとどめる。昼食にはみそ汁を取りたい。

野菜で体温下げて

 さらに眠る前にもコップ一杯の水を飲むことを薦める。睡眠中でも人間は必ず汗をかく。この一杯で夜中から明け方にかけて起こりやすい心筋梗塞を予防する。

 水分補給がうまくいかなかった翌日は、朝から体温が高く、だるく感じるだろう。

 そんなときはカルシウムやカリウム、ミネラルを含むスイカやウリ、トマト、ナシを食べて休息し、脱水状態から回復させ、体温を下げる。(平下政美金城大教授、環境生理学=金沢市)



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