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〔大腰筋〕 いすを使って転倒予防 足引き上げ鍛える |
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北國新聞(朝刊)2006年09月13日付 |
老化を防ぐときに、要(かなめ)となる筋肉がある。足を上げる大腰筋(だいようきん)だ。背骨にくっつくように腰のあたりから足の付け根まで伸びているため、鍛え方が分かりにくい筋肉だが、ここが衰えるとすり足になり、つまずいて転倒しやすくなる。
●腰痛も防ぐ
この筋肉の「貯筋(ちょきん)」は、実は簡単だ。安定した背もたれのあるいすがあれば、家でも鍛えられる。姿勢がよくなり、腰痛を起こしにくくなる効果もあるため、ぜひ鍛えてほしい。
背もたれのあるいすの後ろに立っていすの背につながり、背骨を伸ばし、足をゆっくりとなるべく高く胸のほうへ引き上げる。ゆっくりおろし、足が床につく直前に再び足を引き上げることを繰り返す。
十回を一セットとして、三セットできれば十分。朝、昼、晩と分けて行ってもよい。つらいと感じたら、無理せずできる数だけ続ける。
つらいと感じなくなったら一セットで行う回数を増やす。足首に砂袋をつけたり、少し重いズックを履いて行うと「貯筋」効果はさらにアップする。
ただし結果を急ぎ過ぎてはいけない。半年くらいかけて気長にレベルアップしていこう。
ジムでも大腰筋は鍛えられるが、デパートやスーパー、図書館などの手すりのついた階段は、絶好の「貯筋」の場だ。
理想的なのは、手すりのある、踊り場まで十四、五段の階段である。
手すりにつかまって、まず左足で一段のぼり、右足を左足の横にそろえる。これを繰り返して踊り場まで十四段上がる。踊り場から次の階までの十四段は、右足から上り始め、左足をそろえることを繰り返す。
一階から上り始め、各階ごとに近くのベンチで一、二分休みながら四階に着いたときは、腰から膝にかけてパンとはったような心地よさが感じられるはず。筋肉へ血液が流れ込んだ証拠だ。
下りは体重がかかって膝を痛めることもあるし、疲れのため足がもつれ、転倒することもある。エレベーターを使うことをすすめたい。
これを週に二、三回行うと効果が実感できるだろう。ただし運動するなら買い物前に。買い物袋を持つと体が袋のほうに傾くためバランスを崩すからだ。リュックサックならば体がまっすぐになり、支障はない。
●冷えを解消
冷えに悩んでいる人は、ぜひこの大腰筋を鍛えてほしい。筋肉で作り出されるエネルギーのうち、筋肉を動かすために使われるのは25%程度。ほとんどが熱に変わり、体温を保つ。体の内部にある大腰筋を鍛えて温めると、体のしんから寒さや冷えを追放し、エネルギーを消費する体質に変わる。つまり、健康な若い人の体に近づくというわけである。(平下政美金城大教授=環境生理学、金沢市)
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