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〔転ばぬ前のつま先立ち〕 ぐらつくなら水中で |
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北國新聞(朝刊)2006年09月20日付 |
人間が安定して歩くことができるのは、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)が内側に向いているからである。このおかげで、足と地面の接する点が体の中心線に近づく。そのため、歩くときに揺れが少なく、バランスよく歩ける。サルがスムーズに二足歩行できないのは、大腿骨の幅が広いためだ。
●直線の上歩く
ではあなたはバランスよく、安定して歩けているだろうか。まっすぐな線の上を歩いてみよう。体がぐらぐら揺れるようならば、下肢の筋肉を鍛えて蓄える「貯筋(ちょきん)」が必要だ。
歩く時、私たちは、足の親指の付け根で地面をけって足を前に押し出し、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)でかかとを引き上げている。さらにむこうずねにある筋(前脛骨筋)が足の甲を引き上げる。
これらが互いに微妙に協調して初めて、さっさと歩くことができる。いつまでもしっかりと歩くためには、腓腹筋と前脛骨筋を鍛え、その筋肉につながる腱(けん)などを鍛え、さらに足首、膝(ひざ)を回して関節をやわらかくすることが大切だ。
歩ける足を作る「貯筋」運動は、いすにつかまってつま先立ちをすることから始めたい。足の指の腹から付け根に体重をかけ、かかとを引き上げ、ゆっくりとつま先立ちして三秒。次にかかとをゆっくり下ろして三秒休む。これを十回繰り返す。日に三セットすれば十分な運動になる。終わったら足首と膝を軽く回しておく。
●手軽に片足立ちを
最も手軽な運動は片足立ちだ。バスを待つ間でも、散歩の途中でも、いつでもできる。転倒が怖い人は安定した机やいすにつかまって行うとよい。
歩く時のバランスが悪くなると転ぶ危険性が高まり、転倒すると骨折も起こりうる。転倒の怖(こわ)さゆえ、活動範囲が狭まり、次第に歩く力が衰え、しまいには動く自信さえなくしてしまう。結果として満足のいく日常生活が送れなくなるというケースも多い。転ばぬ前のつま先立ちや片足立ちだ。
バランスに自信のない人は、クッション性のあるマットを敷き詰めたジムや、プールなどでトレーニングすることをすすめる。特に水中では片足立ちしたとき、足にかかる負荷も小さい。転ばぬよう、プールサイドにつかまってもよい。(平下政美、金城大教授・環境生理学=金沢市)
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