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〔靴の重要性〕 重さ変えれば違う効果 ひも結びも運動に |
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北國新聞(朝刊)2006年10月18日付 |
さわやかな季節となった。家の中での運動に飽き足らなくなったら、外へ出かけ、筋肉を貯める「貯筋(ちょきん)」運動を始めよう。青空の下、公園で運動するのも気持ちよい。
●基本は厚底
ジムや体育館は、子供や若者だけの場所ではない。どんどん利用しよう。ジムは気恥ずかしいというなら、市町が運営する健康センターの中にも筋肉トレーニング用のマシンを備え、使用できるところもあるので、問い合わせてみるとよい。
場所はどこであっても、運動するに当たってどんな靴を履くかはとても重要な問題だ。
まずは靴底が厚いものを選ぼう。膝(ひざ)への衝撃をやわらげるためだ。木の床やじゅうたん張りの床はまだしも、タイル張りの硬い床の上で運動したときの衝撃は、想像以上に大きい。もし購入した運動靴の靴底が薄ければ、靴下を二枚重ねて履くとよい。
軽い靴、重い靴を履き分けることで、違う筋肉が鍛えられる。
軽い靴でサッサと歩けば、大腰筋(脚の付け根から背骨に達する筋)を効果的に鍛えることができる。膝もよく伸び、転倒を防げる。
やや重い靴を履いて運動すれば、太腿の筋肉がよく鍛えられ、階段を降りるときのように地面に足を下ろす動作が楽になる。
とても重い靴を履いて運動すれば、ふくらはぎの筋肉が鍛えられ、体のバランスが良くなる。
特別な筋肉トレーニングをしなくても、重さの違う靴を履き分けて歩くだけでも下肢の筋肉群がバランスよく鍛えられ、より歩行能力が上がるのである。
高齢者向けの靴として、いろんな工夫がなされたものが店頭にも並ぶ時代となった。少しでも靴を履きやすいように、靴の前後にファスナーをつけたものなどが代表的だ。
だけどちょっと考えてほしい。指を使って毎日靴ひもを結ぶのと、簡単に靴を履いてしまうのとどちらが良いのだろうか。
指先の運動は、脳を活発に働かせる効果がある。指先が動かないのならともかくとして、意味もなく物事を楽にこなすことは決して望ましいことではない。
●認知症の予防に
靴ひもを結ぶという複雑な運動を続けることは、手や前腕の立派なトレーニングになる。前かがみの姿勢で靴ひもを結ぶこと自体、体の柔軟性を高める運動だ。そして、靴ひもを結べたという達成感を味わうことは、認知症予防にもつながると考えられる。
私が指導する高齢者のトレーニング教室には、一人で来られる人もいれば、夫婦そろって参加される人もいる。あるご夫婦は、とても世話好きな奥さまが、ご主人に代わって運動器具の操作や準備、後片付けをし、その間、ご主人はボーッと待っていた。
ご主人を大切に思うのであれば、できるだけ身の回りのことは自分でさせ、達成感を味合わせたほうがよい。
ささいなことでいい。日々、挑戦と達成感を体験することが、脳を若々しく保つ。(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)
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