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〔歩きたい場所〕 起伏に富んだ坂で負荷 砂浜なら転倒防止も |
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北國新聞(朝刊)2006年11月08日付 |
金沢には、歩くだけで無理なく筋肉を蓄えられる、「貯筋(ちょきん)」運動にぴったりの歩道が多い。
●根気が続く
小立野や寺町台地などがその代表だ。兼六園や奥卯辰山健民公園、大乘寺周辺なども、歩くだけで体を整えてくれる「貯筋」スポットだ。
これらの地域にある前後に傾斜した道路、つまり起伏に富んだ歩道を歩くことで、足を持ち上げる筋肉(大腰筋(だいようきん))と、足を地面に着地させる筋肉(大腿四頭筋(だいたいしとうきん))が鍛えられ、足腰が強くなる。
アップダウンのある土地を歩くということは、強い運動と軽い運動を組み合わせたトレーニング「インターバルトレーニング」を行っていることになる。このトレーニングにより、「元気のもと」ともいえる心肺機能が強くなる。心肺機能が高まると根気が続くようになり、運動も長続きし、元気が作られるわけだ。
卯辰山の県卯辰山相撲場から奥卯辰山健民公園まで歩くと、うまい具合に上り坂は二、三十秒で終わり、平坦地そして下り坂がほぼ同じ時間続く。上りでは大腰筋を鍛えられる。同時に心肺に負荷がかかり、つらいなあと感じるころに、平坦地や下り坂となって呼吸が整う。理想的なトレーニング場所である。
県卯辰山相撲場の周辺を一周する砂利道もある。砂利道を歩けば足首や膝の関節が柔らかくなるし、バランスを保つ筋肉(中殿筋(ちゅうでんきん))も鍛えられる。より鍛えたいなら歩くのもいいだろう。この付近は、紅葉がすばらしい。心も癒(いや)される場所だ。
内灘や千里浜など海岸近くに住むならば、小春日和を利用して砂浜をはだしで歩いてみよう。
砂浜でも、ことに砂が深いところを選んで歩こう。
とても歩きにくいだろうが、目的はさっさと歩くことではなく、「貯筋」である。だから砂に足をとられるほどよいのだ。
足を普段より高く上げることで大腰筋が鍛えられる。はだしで歩けば足首が柔らかくなり、転倒防止訓練にもなる。さらに土踏まずも鍛えられ、足首の強化につながる。
心地よい潮風を浴びながらの筋肉トレーニング。終わった後は、疲れたなあと思うぐらいで、ちょうどいい。身体の疲れは、夜の深い眠りを招き、頭を休める。
●漫然と歩かない
「私はウインドーショッピングが趣味。デパートの中なら五時間だって歩いていられます」と胸を張る女性がいる。しかし、漫然と歩くだけでは、筋肉や心肺機能を鍛えるまでにはいたらない。「ややきつい」と感じる程度の運動が必要だ。
睡眠時の活動の強さを「1」として換算すれば、「ややきつい」と感じる運動は3以上6未満にあたる。
本を読む、テレビを見る、洗面などの身支度、生け花などの日常のほとんどの活動が2以下。洗濯や炊事、買い物や散歩でゆっくり歩いても3以下の運動強度にしかならない。
長崎のオランダ坂付近に住んでいる人は、坂を上り下りすることで「ややきつい」運動を日常的に繰り返している。その結果として、全国平均より元気である。(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)
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