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〔運動の後〕 肉食べ、風呂で温まる ぬるめの湯にじっくりと |
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北國新聞(朝刊)2006年11月22日付 |
今の季節は、冷たい空気によって頭や額(ひたい)が冷やされ、脳の温度が一定に保たれる。そのため、暑い夏に比べて運動を長く続けやすい。
問題は運動後に体が冷えやすいことだ。特に高齢者は注意したい。
●汗が体温奪う
運動をやめた途端、体が熱を作り出すスピードよりも、運動中に背中にかいた汗や衣服に吸い込まれた汗が体温を奪うスピードのほうが速くなる。体温が下がると、皮膚に近い血管がぎゅっと縮まり、体温を逃がさないようにする。それでも追いつかなければ筋肉を震(ふる)わせて熱を作り出して体を温める。
高齢者は、若者に比べて汗の引くスピードが遅い。しかも動脈硬化(こうか)で血管は収縮しにくくなっている。筋肉量も少ないため、寒さを感じて全身の筋肉を震わせてもわずかな熱しか作れない。
体を冷やさないためには、運動を終えたらすぐ、汗をふく。そして白湯や温かいお茶を飲む。
夕食では豆腐や肉、魚を食べ、しっかりとタンパク質をとる。炭水化物や脂肪だけでは体温はほとんど上昇しないが、タンパク質を食べると、ぐんと上がる。
この三点を守った上で、肉などのタンパク質を食べてから四十分後にぬるめの湯に入れば、冷えすぎて風邪を引くこともなくなるし、安心して入浴を楽しめる。
寒い季節は、普段より熱めの四二度以上の湯に首までつかりたい人も多いだろう。しかし、元気だと思っていた人が風呂場で命を落とす確率の最も高い季節が冬だ。
寒い季節に風呂に入るということは、血圧の急激な変動を招き、血管に負担をかけるということでもある。暖かい居間から寒い脱衣場に入ると、体温放出を防ごうとして皮膚近くの血管が縮んで血圧が上がる。熱い湯に入った瞬間、血圧ははね上がる。首まで熱い湯にじっくりとつかって上がると、今度は血管が広がって血圧が急激に下がる。
この急激な血圧の変化は、脳出血や脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞などの引き金になることが多い。めまいを起こして転倒し、頭を打つおそれもある。
タンパク質を食べてから四十分後に入浴することをすすめるのは、体温ひいては血圧の変化を避けるためだ。
肉を食べた後、体温がピークに達するのは約四十分後なのである。このときに風呂に入れば、熱い風呂が好きな人でも、いつも入っている湯よりぬるめでも十分満足できる。
ぬるめの湯にじっくりと入ることは、心身をリラックスさせることにもなる。
それでもやっぱり物足りないという人は、ぬるめから始め、湯に体を慣らしてから、熱い湯を少しずつ足していくとよい。
リラックスした後、身体を洗い、その後、関節の曲げ伸ばし運動をするとよい。お湯の中だと痛みを感じないため、苦痛なく関節や筋肉を柔らかく動かすことができる。
●出る直前に水
湯船から出る直前に、手足を水でぬらせば、湯から出た直後に血圧が下がるのを防げる。
さらに、手足を冷水でぬらすだけで、身体の内部の保温効果が高まる。
身体の芯(しん)の温かさは、やがて手足を温める。すると心地よく眠れる。
(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)
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