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〔冷たくなる手〕 体温保つ正常な機能 寒さ体験、3歳までに |
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北國新聞(朝刊)2006年11月29日付 |
人間の手、それも手首から指先までの部分は、とても精巧なラジエーターでもある。つまり、手のラジエーター機能が正常であれば、寒さ、暑さに応じて体温をコントロールできるのである。
手には、体のほかの部分と比べて、とりわけ多くの血液が一気に流れ込むことができる仕組みがある。子どものころ、雪の上をはだしで走ったり、雪合戦をしたときのことを思い出してほしい。痛いほど冷たかった足や手が突然、フッと温かくなったことを覚えていないだろうか。
あれは、寒さのせいでストップしていた血液が、突然手に流れ込んだためだ。
●加齢で衰え
ところが年を重ねるごとにこの機能がどんどん衰えていく。孫と手をつないで外を歩くおじいちゃん、おばあちゃんには、孫の手がとても冷たく感じる。
「かわいそうに冷たい手をして」と自分の上着を脱いで着せるおじいちゃん、おばあちゃん。しかし、かわいそうなのは、寒いにもかかわらず手が冷たくならない本人のほうである。
高齢者の場合、手の細い血管が加齢による動脈硬化のため締まらなくなり、周りが寒いにもかかわらず手にどんどん血液が流れ、手からたくさんの熱を体外に放ち、体温を失ってしまう。子どもの場合は、寒いと手の血管をぎゅっと縮め、体温を逃がさないようにする。
子どもの寒さ暑さに対応する力は三歳までが勝負となる。汗をかく能力が三歳までで決まる上、三歳までは特別な脂肪組織を持っており、寒いときにはそれを燃焼させ、体温を保つ。この脂肪を持っている間に、たまには寒さを経験させ、血管を鍛えることが大切だ。
寒さに負けない身体をつくるには、大人がちょうどよいと感じるより一度ほど低いほうがよいことも覚えておいてほしい。
ところで、年を重ねると、寒い日にウオーキングしても身体がなかなか温まらない。手から逃げる熱は最小限に抑えたい。そのためには手袋をはめるのがよいのだが、どんな手袋でもよいというわけではない。
綿素材の軍手は、湿気を吸いやすく、空気が通りやすく、熱を逃がしやすいため体温を下げかねない。毛糸の手袋は湿気は吸わないものの通気性がよすぎる。
●スキー手袋を
そこで晴れた冬の日に屋外を歩くなら、スキー手袋をすすめたい。スキー手袋は保温効果が高く、湿気だけを放出する素材が使われているものが多い。
下着にも注意してほしい。運動するときは夏冬にかかわらず、体から湿気が逃げやすいアクリルやポリエステル、ウールの下着を着けたい。
特に背中や胸に汗をかく量が多い中高年や、若くても運動する習慣のない人は気をつけてほしい。
綿の下着はわずかな汗を吸収して体温を大きく奪うため、風邪をひきやすくなる。暖房された部屋で「貯筋(ちょきん)」運動をして汗をかき、下着がぬれたまま寒い屋外に出ていかないようにしたい。
筋肉を貯めるには時間がかかるが、運動を中断してしまうとすぐになくなってしまう。雪が降るこれからの三カ月もぜひ手袋を活用して歩いてほしい。(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)
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