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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔大掃除を活用〕 床を拭いて腰痛予防 前後に整理体操を
北國新聞(朝刊)2006年12月27日付

 きょう、今年最後の大掃除をするという人もいるだろう。動きやすい服装を整えて、掃除道具もそろえたから準備万端、とはいかない。大掃除前にぜひ準備体操をしてほしい。

 大掃除となると、この寒い時期でも窓や戸を開け放すため、寒さに負けないよう一心不乱に掃除する。しかし、準備運動もせずに強い運動を続けると、体をいためるのがオチだ。実は数年前、私の家内は中途半端な姿勢で拭(ふ)き掃除に熱中し、結局腰を痛めて入院する羽目になった。

暖かい部屋で

 窓を開ける前に暖まった部屋でストレッチ体操を行い、筋肉も関節も十分ほぐしてから大掃除に取りかかろう。

 手首、足首、肩、膝(ひざ)、首の順によく回し、壁や机を利用して、アキレス腱(けん)を良く伸ばす。さらにお相撲さんをまねてそんきょの姿勢を取り、股関節(こかんせつ)を広げておこう。

 大掃除の中でも、ガラス拭きやタンスの腰板拭き、床や畳の拭き掃除をする人は、特に注意してほしい。普段あまり動かさない筋肉を鍛えるため、とてもよい運動になるだけに準備運動は慎重に行いたい。

 床や畳を拭くときは、両膝と両手を床についた姿勢が基本の姿勢となる。手は肩の真下に、膝は尻の下に位置するようにつく。

 片方の手で体重を支え、もう片方の手でぞうきんを動かすと、疲れ方が違うのに気づくだろう。実は、より「貯筋(ちょきん)」できるのは、体重を支えている手のほう。アイソメトリックといい、短い時間でしかも少ない回数で筋肉を鍛えられる方法である。体重を支える手を五、六秒おきにこまめにかえることが効果的な「貯筋」のコツ。掃除もはかどる。

 基本姿勢を守り、無理せずに続ければ、床を手で拭くことは、肩の後ろの筋肉(肩甲骨まわりの筋肉)や、腰から尻にかけての筋肉を鍛えることになり、腰痛の予防にもなる。ぞうきんを使うことで、肩こりも予防できる。

 忘れてはいけないのが、掃除の後の整理体操だ。床や畳を拭き終わったら、腰の整理運動をする。

 両手両膝を床についた姿勢で、おへそをへこますつもりで思いきり猫のように背中を丸める。次に背中をゆっくりそらせる。その姿勢から後ろに尻を突き出すように背中を伸ばす。このとき両肩が床に近づくように努める。

 それぞれ十秒ほどかけてゆっくりと繰り返す。最後に両肩を回して血行を良くし、大掃除が原因の肩こりなど起きないようにする。

窓拭きで足強化

 窓拭きも「貯筋」のチャンス。高いところを拭くときに伸び上がることで下肢(かし)が鍛えられる。

 大きなガラスを拭くときは、低いところから高いところへ向かって拭く。低いところでは両足を肩幅以上にしっかり広げ、膝を曲げ伸ばしながら拭き、次第に高いところへと肩幅くらいの広さで拭き上げていく。

 足腰、特に太ももの筋肉が強くなる。

 暮れの大掃除、体もすっきり大掃除して新年を迎えよう。(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)



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