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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔しっかり食べる〕 夕食のお薦めは米、大豆、豚肉 朝食には冬野菜を
北國新聞(朝刊)2007年01月24日付

 七十歳を越すと、しっかり食べる人ほど長生きするようだ。腹八分は長生きの秘訣(ひけつ)といわれたのは昔のこと。六十歳まで生きることを目標としていた時代の話だ。

 食が細くて血液の糖分が少ない人は、運動するとすぐにエネルギーが不足し、体のタンパク質を溶かしてエネルギーにする。年齢を重ねるとともに筋肉が衰え、はりのない体になるのは、年とともに食が細くなり、自分で自分の筋肉を「食べて」いるためだ。

 はつらつとした体を保つためには、多少運動してもやせないほどにしっかり食べることと、筋肉を増やすことが必要なのである。

冬はチャンス

 寒くなると、人はふだんよりもたくさん食べるようになる。意外かもしれないが、冬は食欲が増す季節である。食が細くなった高齢者にとって、冬は絶好のチャンス。筋肉を貯(た)める「貯筋(ちょきん)」の材料がとりやすくなる。

 筋肉は主に、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)で作られる。これらが含まれるタンパク質を十分に食べると、筋肉が元気で丈夫になる。

 具体的には、一日の最後の食事となる夕食に、米と一緒に、大豆と、魚か肉か卵を食べる。これらは筋肉を作る材料で、運動で傷ついた筋肉を修復し強くするためには欠かせない。

 大豆は、豆腐、味噌(みそ)汁、納豆、油揚げなど形を変えて毎日摂取しよう。「貯筋」の視点からお薦めしたい肉は、豚肉だ。ビタミンB1、B2が多いため、運動で使うエネルギーを取り出しやすい食品なのだ。体も温まる。

 一日の活動の中で筋肉を動かし、貯めるには、朝ご飯が必要になる。米でもパンでもパスタでもいいから、エネルギーとなる炭水化物と、力を作り出すのを助けてくれるビタミンB1を豊富に含む食品が朝食に向いている。

 ビタミンB1が豊富な食品といえば、ウナギや鶏肉だが、朝から食べる気はしないだろう。ウナギの代わりに冬野菜を食べよう。ホウレン草、キャベツ、芋などはご飯にもパンにもよく合う。モロヘイヤやニンニク、クルミ、ゴマ、玄米、モヤシなどもお薦めしたい。

効果的に水分補給

 「貯筋」運動をした後や、ふだんより長く歩いたり掃除で体を動かした後は、カリウムを含んだリンゴなどの果物を食べるとよい。筋肉を動かすことで失った水分を効果的に補える。

 水分を補うということは、のどの乾きをいやすということだけではない。筋肉の中の水分量を高め、筋肉をみずみずしく保つということだ。

 およそ八十日で私たちの体の成分の半分は入れ替わる。いくつになっても遅すぎることはない。しっかり食べて、新しい体になって「貯筋」しよう。(平下政美金城大教授・環境生理学=金沢市)



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