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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔手先の力〕 テニスボール、握って鍛えよう 半分の力で10回程度
北國新聞(朝刊)2007年03月21日付

 ゴルフやテニスは年齢に応じて楽しめるスポーツだ。体力作りにも気分転換にも効果が高いので、年を重ねても続けてほしい趣味である。

 ただ、気を付けなくてはならない点が、年を取るほど増えてくる。とくに寒さが和らぐこの時期、指を傷める人が多い。

 冬場に練習をしていなかったり、新シーズンを迎えた記念にラケットやクラブを新調すると、準備が不十分な部位に力がかかるため、指や手首、ひじのように大きな筋肉が少ない部位では炎症を起こしてしまうのだ。

手をこする

 手先の運動をする前には手をこすり合わせて、指先まで血液を十分に巡らせるとよい。特に運動不足の冬が明けてすぐのこの時期は、ゴルフのクラブを握る前に、テニスのラケットを持つ前に、手をこすり合わせることを習慣にしよう。

 指をはじめとする手先の力は、物を握る運動で鍛えることができる。軟らかいテニスボールを握る運動などがぴったりだ。

 この運動には落とし穴がある。簡単で楽なため、つい回数を多くしてしまうのである。回数を増やし過ぎると腱鞘炎(けんしょうえん)になってしまう。

 指先など筋肉量が少ない部位は、数回程度の運動ならば楽だが、繰り返して行うことで負担はとても大きくなる。

 全力ではなく半分ぐらいの力で、十回程度握るとよいだろう。

 ばねを利用して握力を鍛える器具も市販されているが、テニスのボールのほうが握る強さを自分で簡単に調節できるため、使いやすくて安全だ。

 指や手首、ひじを傷める原因としては、準備不足のほかに使い過ぎも考えられる。

 手先を傷めると、なかなか治りにくい。痛みを和らげるためには、周りの筋肉を強くして、炎症を起こしている部分の負担を減らすことが最も効果的である。

 そのためには夕食に大豆や牛乳を加えてタンパク質を取り、痛みにほんの少し耐えながら、ゆっくり十回程度、半分の力でボールを握る運動を、毎日あるいは一日おきに行う。運動の時間帯は、夜、寝る前が理想的だ。

 ひじを傷めた場合は、あお向けに寝て、両ひじを床に着けたまま、水や砂を入れたペットボトルを両手で持つ。ひじの曲げ伸ばし運動を十から十五回程度行ってから眠る。

1日おきに

 一日または二日おきに行うと、やがて痛みが和らぐだろう。

 ゴルフクラブも握れるようになる。

 先日、病院の待合室で、八十代の男性と隣り合わせた。ペットボトルのふたが回せなくて私に開けてくれとペットボトルを差し出した。日々の生活では、ペットボトルやポットのふたの開閉や雑巾を絞るなど、手を使う作業がとても多い。手作業に必要な筋肉を鍛えることは、大切なことなのだ。

 ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市



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