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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔スポーツの備え〕 屈伸を毎朝、下肢鍛える 階段上りはつま先で
北國新聞(朝刊)2007年07月18日付

 十年ほど前の八月に、金沢市内で行われたゲートボール大会で、試合でかく汗の量と飲んだ水の量を調査したことがある。その日のグラウンドの気温は三六度を超える、とても暑い日だった。調査に当たった学生はへばり込んだが、高齢の選手たちはとても元気。脱水症状にならないように上手に水分を補給していた。

下半身に血液を

 一つ、注意してほしいのは、ゲートボールのように、動かずに立っている時間の長いスポーツは、血液が下半身に溜(た)まって心臓に帰りにくくなるということだ。下半身に血液が溜まると、人間の体は反射的に、皮膚に流れる血液を極端に減らして血圧を維持する。

 皮膚に流れる血液が少なくなれば、体温は下がらない。高い体温を少しでも下げようとして、普段よりもずっと多く、汗をかくことになる。これが長時間続けば、脱水症状を起こし、熱中症になってしまう。

 サッカーと野球を比べるとよく分かるだろう。サッカーは、運動量が多く、筋肉をよく動かす。野球は試合の半分はベンチにいるが、汗の量はサッカー選手より野球選手のほうが多い。

 ゲートボールや野球のように、暑いグラウンドで長い時間立ち、汗をたくさんかくときは、下肢の筋肉を貯(た)め、血液を心臓に帰すポンプ作用を促すことが大切だ。

 下肢、つまり膝(ひざ)から下の筋肉を貯めるためには、集中的に特別な筋肉トレーニングをするより、日々の生活の中での積み重ねが有効だ。

 膝の曲げ伸ばしによる屈伸運動や伸脚運動を顔を洗った後に毎朝行う。階段はつま先だけで上り、ふくらはぎをしっかり伸び縮みさせる。これだけのことだが、繰り返せば確実に下肢は強くなる。

 長く立っていてだるいなと感じたら、ポンプ作用を促す運動を行おう。腕や肩を後ろ回し、前回しともに十回ほど行い、下腹に手を当て深い腹式呼吸を十回行うと、上半身に血が上りやすくなる。

 特に下肢のだるさをすぐに解消するには、百メートルほどはや歩きしたり、軽い屈伸運動を十回ほど行う。ゲートボールの試合の合間には、意識して足踏みや深呼吸を行おう。

 水分は次の三点に注意して取ろう。

 (1)運動する前に必ず水を飲む。

 (2)番茶とスポーツ飲料水を交互に飲む。

 (3)こまめに飲む。

食事は米食に

 食事は米食に切り替えることを薦めたい。

 ご飯が分解されると大量の水分が作られる。一日三食の米食で増える体内水分量は、一日かけて飲んだ水によって増えた体内水分量とほぼ同じ。実はご飯はエネルギーや栄養だけではなく、水分摂取の上でも大切な役割を果たしているのだ。

 朝昼晩、しっかりとお米を食べることが、夏場を乗り切る基本となる。

 ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市



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