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〔筋力を保つ〕 いすを使って膝曲げ、足上げ 意識して夏場対策を |
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北國新聞(朝刊)2007年08月01日付 |
意識して運動をしていないと、梅雨明け後の三週間で筋力がぐっと低下する。
●脱水がすすむ
この時期の最高気温は、ほぼ毎日、皮膚温の三二度より高くなる。これだけ暑い環境の中で体温を一定に保つためには、汗だけが頼り。じっとしていても脱水がすすむ。私たちの体温は、汗をかくことによっても下がるが、体内の水分量が多いほど低くなるという側面も持っている。
つまり大量の汗をかくほど、体内の水分量は減り、体温も上がるわけだ。
体温が高い状態が続くと、皮膚表面へ流れる血流が増え、筋肉へ流れる血流が減り、筋肉はやせる。筋肉が落ちると、すぐに疲れて運動がおっくうになり、さらに筋肉がやせるという悪循環。しかも、暑さで食欲が落ち、筋肉の素材となる栄養が十分に補給されなくなる。
この悪循環を阻むためにも、梅雨明け三週間は、筋肉をさらに貯(た)めることはできなくても、せめてそれまでの貯筋(ちょきん)を減らさずに維持する運動を行いたい。
四十歳過ぎの中高年は、足を引き上げる筋肉、体重を支える腿(もも)の筋肉、転倒を予防する筋肉の三種類の筋力の低下を防ぐため、次の三つの貯筋運動を少なくとも続けてほしい。
まずはいすにつかまり、股(こ)関節の屈曲運動を行う。いすの後ろに立ち、いすの背につかまる。ゆっくり三秒ほどかけて、左の膝(ひざ)を曲げながらできるだけ胸に近づくように引き上げる。腰を動かさないように注意して、一秒ほどそのままの姿勢を保つ。十回繰り返したら、今度は右足を同じ要領で動かす。
少し休憩し、太腿を鍛える。背もたれに背中をつけていすに深く座る。太腿の下にクッションをはさみ、つま先だけ床につくように調節する。両手は太腿の上に置く。ゆっくり三秒ほどかけて左足を膝がまっすぐになるように伸ばす。つま先を手前に曲げ、二秒ほど維持できれば効果が増す。
ゆっくり四秒ほどかけて元の位置に戻す。十回繰り返したら、右足で同じ運動をする。
三つ目の運動は、いすの背につかまり、足を横に上げる運動だ。股関節が痛くなる間際の高さで二秒ほど止める。十回繰り返したら、足をかえて同じ運動をする。
●自然の風入れる
これらの運動を日に二セット、一日置きに行えば貯筋が減らない。午前中に、窓を開けて自然の風を入れて行おう。
運動した日は夕食までに体内水分量を増やして体温を下げておこう。脳の中の食欲中枢と体温調節中枢がすぐ近くにあるため、体温が高いと食欲が抑えられ、筋肉の素材であるタンパク質を食べたくなくなる。
夏の朝、運動するのは爽快(そうかい)だが、朝食前は散歩やラジオ体操程度にとどめたい。
ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市
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