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〔海の中で〕 陸と平行に波受け歩く 鍛えられる臀部の筋 |
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北國新聞(朝刊)2007年08月08日付 |
海は、使い方によって天然のスポーツジムとなる。歩くのにコツのいる砂浜。寄せてはかえす波。浮力のある海水。いずれも楽しみながら筋肉を貯(た)める「貯筋(ちょきん)」運動の効果を上げてくれる。石川県には海水浴にうってつけの美しい浜辺が広がっている。子どもたちや若者だけに独占させず、気分転換を兼ねて遊びに出かけよう。
平らな床でもつまずくことがある人や、いすから立ち上がるとき体がぐらつく人には、波を利用した海中歩行を薦めたい。
千里浜や内灘のように波が立ちやすく、砂浜の海水浴場を選びたい。砂浜なら、万一転んでも大きなケガには結びつきにくい。
●へその深さで
水深が、へその辺りまでの場所で、寄せる波を体の横に受けて立つ。浜と平行に立つわけだ。
二十歩から三十歩ほど、ゆっくり歩いたら、方向を変えて同じように歩く。これを三セット繰り返す。
海水の中では陸上のように早く足を運ぶことができない。ゆっくりと大またで歩くと、お尻の筋肉が動いていることが実感できるはずだ。
この運動は、股関節(こかんせつ)につながる筋肉の中でも特に重要な中殿筋(ちゅうでんきん)や大殿筋(だいでんきん)を貯筋できる。
ともに臀部(でんぶ)周辺の筋肉である。大殿筋は歩く時に、前に傾こうとする上半身を後ろに引き上げ体をまっすぐにする。中殿筋は、片足で立ったとき、横に倒れていく上半身をまっすぐにし、姿勢をよくする働きをする。
海の中では、寄せてはかえす波に、バランスを崩される。そうすると無意識のうちに、体は姿勢を立て直す。この繰り返しで中殿筋が鍛えられる。
年を重ねると転びやすくなる。もしくはずっといすに座ったまま同じ姿勢でいると体がかたまったように感じ、立つときにぐらつく。これらは、筋肉が衰え、股関節の可動域が狭くなるためだ。
私も研究をまとめるために長時間机に向かった後は、水中で股関節を動かしている。海まで行かなくても、一定の速度で水が流れているプールや温泉を利用してもよい。海のとき同様、へそぐらいの深さの場所で水流を体の横に受けながら歩く。
●股関節を回す
歩くときは、肩を回す要領で、股関節を回すように歩く。
肩を回すときは、手をまっすぐに下ろした状態からひじを体のやや後ろに引き上げ、ひじが体の横を通って体の前に出ていくようにすると、効果的だ。
これを足でやってみるとよい。左足を一歩踏み出したら、右足の膝(ひざ)を曲げてやや後ろに引き上げ、膝が体の横を通って体の前に出ていくように踏み出す。膝は腰の高さを目指して上げる。
最初は、上げた足の関節がゴキゴキと音を立てるが、繰り返すと次第に音も消え、股関節が次第にやわらかくなる。
ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市
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