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〔熱中症を防ぐ〕 ひざ下鍛えて、体温を一定に 有効な屈伸運動 |
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北國新聞(朝刊)2007年08月22日付 |
私は日本体育協会が熱中症に関する指針を作るとき、中部地区の対策を担当した。その経験を基に、高齢者の熱中症予防に役立つ「貯筋(ちょきん)」を紹介したい。
熱中症を防ぐ有効な筋肉は、ひざから下の筋肉である。階段をつま先立ちで上がったり、屈伸運動をするだけで貯(た)められるこの筋肉が強ければ、人間の体は体温を一定に保つことができる。
勘違いしやすいが、熱中症は暑いから起きるわけではない。暑いと汗をたくさんかき、体内の水分量が減る。すると体内の熱が外になかなか出ず、体温が上がりっぱなしとなり、熱中症になるのだ。だから暑くても、体内の水分量さらには適正な体温を保つことができれば熱中症にはなりにくい。
●血液が溜まる
ひざから下の筋肉が弱いと、下半身に血液が溜(た)まってしまう。下半身にとどまった血液の水分(血漿(けっしょう))が血管から抜けて組織に移動すると、心臓に帰る血液は少なくなる。
心臓に帰る血液が足りなくなると、反射的に皮膚に流れる血液は極端に減る。そのため体から熱が運び出されにくくなり、体温がとても高くなる。すると必要以上に汗が出て脱水が早く進む。
下半身の筋肉を動かせば、ポンプ作用で心臓へ血液が積極的に帰るため体温が上がりすぎることもなければ、必要以上に汗をかくこともない。
そのためには気長に足の筋肉を強化し、歩いたり屈伸運動をして筋肉を動かすことが熱中症予防につながる。次に紹介する運動は速効性のあるいわば「対症療法」。貯筋と合わせて行ってほしい。
暑い日は、軽くひざの屈伸運動をし、深呼吸をする。これだけでも体の中の熱い血液を皮膚表面に運び出すことができ、汗をあまりかかなくても有効に体を冷やせる。
深呼吸をするときは、背筋を伸ばし両手を組み、頭の真上に十秒伸ばす。ひじを直角に曲げ、肩を前後にゆっくり大きく十回ずつまわし、その後、ゆったりとした深呼吸を十回行いたい。
足首を両手でつかみ、左右十回ずつ太ももの付け根にむかってマッサージすると、さらによい。
●必ず水を飲む
高齢者の熱中症は四十歳以下の世代とは違い、いろいろな要因が絡み合って起こる。
これからの時期、北陸では、野菜に水をやる作業に熱中したり、大根の種をまく作業に打ち込み過ぎて熱中症で倒れる高齢者が増える危険性がある。
畑仕事をしていなくても年齢を重ねるごとに、暑いという刺激が、皮膚から脳に伝わりにくくなり、のどが渇いたと感じなくなる。
運動や畑仕事は、朝晩の涼しい時間帯に行い、飲みたくなくても必ず十分おきにコップ一杯の水を飲む。水がのどを通らなければ、塩イカや梅干しを少量食べる。塩分でのどを刺激すると水が欲しくなる。
平下政美ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市
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