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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔70歳からの運動〕 体を前後左右に、歩行能力アップ 前屈やわき腹伸ばし
北國新聞(朝刊)2007年10月17日付

 六十代はまだまだ体が動くが、七十歳を過ぎると集中力や活力が徐々に衰える傾向が強くなる。果たして七十歳を過ぎてから運動を始めても、貯筋(ちょきん)できるのかと疑問を持つ人は多いだろう。

3カ月で効果

 安心してほしい。私が三カ月間指導した貯筋トレーニング教室では、教室終了後、六メートルを歩く速度の平均値が約〇・六秒短縮された。貯筋が順調に進み、歩行能力が明らかに改善されたのである。筋肉や関節が柔らかくなってバランス能力が増し、歩行能力が向上したと考えられる。

 加えて生活上の動作も改善された。たとえば、戸棚への物の出し入れ、一人での入浴、あるいは青信号の間に横断歩道を渡りきるなどの動作が、自信を持ってできるようになったと、ほとんどの参加者が答えた。

 「もう年だから」とあきらめずに、バランスを取る筋肉を貯めよう。

 運動前には軽い体操で体をほぐそう。テレビ体操やラジオ体操をゆっくり、自分のリズムで行えばよい。

 さらに、上体の前後左右の筋肉をゆっくり伸ばし、柔らかくする運動を加えておこう。

 まずは体前屈をする。足を肩幅に開いて、背中を伸ばして立つ。膝(ひざ)を伸ばし背中を伸ばしたまま、上体を前にゆっくり曲げ、最も曲がるちょっと手前で五秒間停止し、ゆっくりとまっすぐの姿勢に戻す。これを五回ほど反復する。曲げる時には反動をつけない。

 次はサイドストレッチ。横方向に体を曲げわき腹を伸ばす。わき腹に左手を当て、右手が右の膝の右横に触れるように体を横にゆっくりと倒す。膝に触れたら五秒止める。反対側も同様に曲げる。

 最後は後ろに体を反らす。両足を肩幅に開き、腰に手をあて、大きく深呼吸する要領でゆっくり後ろに反る。首だけ後ろに折らないように注意したい。

 体を前後左右に曲げるこうした運動には、体の表面にある腹筋や背筋よりも、背骨を支えるように働いている大腰筋(だいようきん)を鍛える効果がある。



転倒も防ぐ

 大腰筋を鍛えると、姿勢がよくなり転倒しにくくなるだけでなく、体の中が温まり、冷えやすい体質の改善にもつながる。今から始めれば、冬までには体が変わってきたと実感できるはずだ。気長に取り組もう。

 年を重ねるごとに、人は筋肉の衰えが原因で、前屈曲姿勢つまりは前かがみになりやすい。前かがみの姿勢でつまずくと、体勢を立て直すのに時間がかかり、転倒しやすくなる。バランスを取る筋肉を鍛え、関節を柔らかくすると転倒の危険も減る。



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