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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔おなかを鍛える〕 朝は腹式呼吸、夜は足上げ運動 排せつの悩み解消
北國新聞(朝刊)2007年11月14日付

 体を動かす機会の減った年配者が人知れず抱えている悩み。それは便秘である。膝(ひざ)や腰の痛みならだれにでも相談しやすいが、こと排せつのこととなると、気恥ずかしさが先に立ち、もんもんとしているだけというケースが多い。

 原因の一つに、加齢による腹筋や背筋の衰えがある。これらの筋肉が弱ると姿勢が悪くなるだけではなく、排せつが不規則になりやすい。

腰に注意

 まずは効果の現れやすい腹筋から貯(た)め始めよう。

 ただ運動の習慣のない人がいきなり若者のように激しい貯筋(ちょきん)運動を行うと、腰を痛める危険性が高い。最初は腹式呼吸から始めたい。

 息を吸うときはおなかを膨らませ、息を吐(は)くときはおなかを引っ込ませるように心がける。日に数回、意識して腹式呼吸を行うと、なお効果がある。

 習慣にしやすいのは、朝、目が覚めたらすぐに布団の中で行う次のようなゆったりとした腹式呼吸だ。

 まずは、ゆっくりと口から息を吐く。体の中の空気をすべて外に出すつもりで、フーッと時間をかけて吐きながら、おなかを少しずつ引っ込めていく。

 次に鼻からスーッと深く息を吸う。下腹を膨らませるように意識しよう。

 今度は少しだけくちびるを開き、その間から息を吐く。吸ったときよりも倍の時間をかけるつもりで、ゆっくりと吐き出す。

 朝に限らず昼にひと息入れるときや、夜寝る前にも行ってみよう。

 深い腹式呼吸で腹筋を鍛えるとお通じがよくなるだけでなく、背すじがまっすぐになり、ストレス解消効果も期待できる。ぜひ習慣にしてほしい。

 腰痛がなく、体力に自信のある人は、就寝前の軽い足上げ運動で積極的に腹筋を強化しよう。

 布団の上に両足を伸ばして座り、両手を少し後ろにつく。右足の膝を軽く曲げ、左足を伸ばしたまま床から三十センチぐらい上げ、五秒から十秒、そのままの姿勢を保ち、ゆっくり足を下ろす。

 これを二、三回繰り返し、今度は左足を曲げ、まっすぐ伸ばした右足を上げ下ろしする。

 足を上げている時間は自分の力に合わせて決めればよい。五秒から十秒の間で、「ちょっときついかな」と感じるまで上げていればいい。決して無理をしないことが大切である。

寝付きもよく

 理想は、この運動の後、前に紹介した腹式呼吸で呼吸を整え、眠ることだ。ほどよく体が疲れるため、寝付きもよくなり深く眠れる。

 就寝前に足上げ運動と腹式呼吸を繰り返すことで、着実に腹筋は鍛えられる。腹筋強化に加えて、食事は一日三回とし、しっかり野菜を食べて繊維質を摂取することと、適度に全身を動かすことが規則正しい排せつのためには欠かせない。

 ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市



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