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医療記事特集
貯めよう筋肉

〔入浴の前に〕 大腰筋鍛え体温上げる 3つの運動選んで
北國新聞(朝刊)2007年12月05日付

 年を取ると寒さが身にしみると言うが、実は、年を重ねるごとに寒さに鈍感になっていく。一八度以下の部屋でも十分暖かいという高齢者もいる。

 このように寒さを自覚しないことは恐ろしいことであることを知ってほしい。

 寒いという感覚はなくても、体内では血圧は上がり、体温は慢性的に低下している。体に負担がかかっているのである。

 冬場の寒い脱衣場で高齢者が亡くなる事故はこの寒さへの鈍感さが原因となっている。裸になったとき、自分で思っているよりも寒いため血圧が急に上がり、体がそれに耐えられないのである。

暖色のカーテン

 事故防止の基本は、脱衣場を暖めて温度を上げること。ままならない時は、暖色系のカーテンをつけるのも一案だ。暖色を見ると暖かく感じるため、血圧が上がりにくくなる。

 体温は一日のうちで午後六時ごろ最も高くなる。そのため周囲の温度が変化してもほかの時間帯より体温が低くなりすぎない。できれば、これぐらいの時間に入浴し、早めに床に就くことをすすめる。

 風呂場の事故防止法として、入浴前の貯筋(ちょきん)運動で体温を上げる方法もある。運動で体温を上げるには、体の中のほうにある筋肉、取り分け背骨にくっつくように走る大腰筋(だいようきん)を刺激すると効果的だ。日ごろ冷えに悩んでいる人はぜひ鍛えてほしい。

 まずは床にあお向けに寝る。両手を下に伸ばし、右膝(ひざ)を曲げる。左足を床から持ち上げ、斜めにだ円を描くように足のつけ根からゆっくり五回から十回回す。足を替えて同様に動かす。

床に座って

 次に床の上に足を投げ出して座る。両膝をゆるやかな角度で立てる。体を起こして太腿(ふともも)と平行になるように両手を伸ばし、視線を手の先に置く。下腹をへこまして十秒間、この姿勢を維持する。

 三つ目の運動は、あお向けに寝て、左足を曲げることから始める。右手は左の膝頭、左手は左足の向こうずねに置いて左足をできるだけ胸に近づけるようにする。同時に頭を起こしてへそをのぞき、この姿勢を五秒ほど維持する。右足も同様。

 四つ目の運動は、床にあお向けに寝て足の裏全体をべったりと床につけて両膝を立てる。膝を曲げた状態のまま両足を持ち上げ、腿を床に垂直にすると同時に頭を上げて腿を見る。

 五番目は膝を伸ばして床に座り、両手が耳に触れるように真上に伸ばし、下腹をへこませながらゆっくり前屈し五秒ほど止める。

 ほかにソファーを背にして行う運動もある。足の裏を床につけ膝を直角に曲げて床に座り、両手で太腿を抱え込んで太腿をおなかに寄せ、背筋を伸ばす。

 以上の運動からできるものを三つ選んでやってみよう。イラストに描かれた(6)の姿勢ができるようになることが理想である。

 ひらした・まさみ=金城大教授・環境生理学、金沢市



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