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第69部・お肌を守る

(2256)男性型脱毛症 薬で6割改善、やめると戻る 毛穴の小型化を防ぐ
北國新聞(朝刊)2018年07月07日付

髪の毛が生え替わるサイクルを説明する望月教授=金沢医科大病院
写真を撮るたびに額が広くなっていく。シャンプーの後、髪の毛のボリュームが減ったことを実感する。こうした症状がある人は、男性型脱毛症かもしれない。

20代でも1割

 男性型脱毛症の患者は、全年代の3割いるとされる。40代で3割、50代以上で4割超と中年以降に増えるが、20代でも1割、30代でも2割いる。若くても全く無関係とは言い切れない。

 「治療を希望するのは、20〜30代の男性が多い。最初は表情が暗い患者さんもいますが、髪の毛が増えてくれば明るくなります」と金沢医科大病院皮膚科の望月隆教授が説明する。治療で、ふさふさな頭に近づくことは、心理面の治療効果も大きいようだ。

 では、どうやって治療するのだろうか。まずは髪の毛のサイクルを説明する。髪の毛は通常約10万本あり、2〜6年かけて伸びた後に抜け、毛穴が2〜6カ月ほど休んだ後に再び生えてくる。正常でも、1週間に500本ほどは抜けるという。

 男性型脱毛症の原因は、男性ホルモンだ。体内の酵素の働きによって作られる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」(DHT)の作用によって、髪の毛が成長する期間が短くなる。すると、毛穴が小さくなって髪の毛が細く、短くなってしまう。これを軟毛(なんもう)化といい、髪の毛が抜けやすくなり、また、本数が変わらなくても頭髪の量が減る。男性ホルモンが多い方が、頭が薄くなりやすいというのは、正しいのだ。

 治療では、酵素の働きを抑えてDHTが作られる量を減らす薬を飲む。これにより毛穴の小型化を防ぐのだ。6カ月後には6割の患者に増毛効果が表れるという。「ただし、薬をやめると脱毛症に戻ってしまいます」と望月教授が話す。薬代は1カ月に1万円ほどかかるため、治療を続ける限り、年間12万円が必要になる。安くはない金額なので、医師の説明に納得した上で、治療を受けた方がよさそうだ。

前立腺がんに意識を

 薬を飲む患者に、望月教授が強く念押しすることがある。それは、前立腺がんを調べる血液検査「PSA検査」に関する注意点だ。PSAは基準値を超えると、前立腺がんの疑いが大きくなる。

 望月教授は「この薬を飲むと、PSAの数値が半分に下がり、前立腺がんが早期発見しにくくなります。患者さんの数値を2倍して判断しなければいけません」と説明する。患者はこのことを知り、前立腺がんやPSAの数値を意識することが必要だし、健診時は医師に服薬を告げるべきだ。

 男性よりも患者は少ないものの、女性も脱毛症に悩むことがある。女性型脱毛症では頭頂部が薄くなることが多いが、前述の飲み薬は胎児に悪影響を与えるなどの理由により、女性には使えない。女性の治療に使われるのは、血管を拡張して血液の流れを増やす塗り薬だ。血流が良くなれば、毛穴の中にあって髪の毛の元となる毛母(もうぼ)細胞が活性化する。この薬は男性も対象となる。

 脱毛症は生理現象であり、治療は保険が使えない自由診療である。外見に影響するため関心が高く、民間療法もいろいろあるが、医療機関を受診すれば効果が確認されている治療を受けられると覚えておきたい。



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