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第70部・昔の常識、今の非常識

(2271)風邪に点滴 「口から飲む」で水分足りる 補助食品をうまく使って
北國新聞(朝刊)2018年08月26日付

経口補水液は家庭でつくることもできる。材料は水と砂糖、塩、レモンだけだ=加賀市内
 風邪をひいて医療機関を受診した時、「点滴を1本打ってもらえれば、元気になる」と思う人もいるかもしれない。点滴には、どのような効果があるのだろうか。

 「風邪の患者さんのほとんどは、点滴は必要ありません。口からいつもと同じように水分を取ることができるのなら、まず問題ないです」。金大医学類非常勤講師で加賀市のながたクリニック院長の永田理希医師がこう説明する。風邪の患者に使う点滴は、脱水症状を防ぐための体の活動に必要な電解質が主な成分だ。水を飲めないほど症状が重いのなら点滴は非常に効果的な治療になるが、そうでなければ口から電解質入りの水分を取れるので点滴は不要なのだ。

経口補水液を作る

 体に水分を素早く吸収させるには、単なる水道水よりも、塩分や糖分が入った経口補水液の方が効果的だ。ドラッグストアなどで購入できるが、永田医師は自宅でも簡単に作れると紹介する。

 作り方はこうだ。水1リットルに対し、砂糖(上白糖)を20〜40グラムと塩を3グラム、半分に切ったレモンの絞り汁を入れて、よくかき混ぜる。これでできあがりだ。難しくないが、永田医師は「分量をきちんと量り、正確に作ってください」と呼び掛ける。

 水分を効率的に吸収するには、砂糖に含まれるブドウ糖と、塩に含まれるナトリウムのバランスが取れていることが大切だからだ。「甘みを強くすれば飲みやすいかな」と思っても、分量は守ろう。レモンはカリウムを補い、飲みやすくする効果もある。ナトリウムやカリウムが電解質だ。

 注意点は、作った日のうちに飲みきること。家庭で作ると雑菌の混入を防ぎきれず、何日もたつと雑菌が繁殖して健康に悪影響を及ぼすかもしれない。

ビタミンの効果?

 「ビタミン入りの点滴は体の調子を整え、風邪に効くんですか」。患者からこう質問を受けた際、永田医師は「残念ながら、医学的に風邪を治す効果は証明されていません」と答えている。効果が明らかでないので、風邪の患者に対するビタミン剤の点滴は健康保険を使えない。

 また、外来で通常使われる大きめの点滴で得られるエネルギーは100キロ〜200キロカロリーほど。茶わん1杯分のおかゆで約180キロカロリーなので、食べられるのなら、通常の点滴でエネルギーを補給することはしなくてもよい。飲食できない場合に脱水の改善目的に点滴を使うのだ。点滴は血管に針や管を入れる。何日も入れておくと、そこから全身の血液内に細菌が入り重症感染のリスクになるため、必要な時以外避けるべきである。

 永田医師は「ゼリーなどの栄養補助食品もうまく使ってほしい」と話す。体調が悪い時には口当たりがよく、食べやすいゼリーなどを少しずつ食べればよい。水分や栄養素がバランスよく入っているし、ドラッグストアなどで手に入れられる。

 熱を下げる解熱鎮痛剤の注射でも、患者がショック状態になったり、血圧が低下したりする恐れがある。

 永田医師は「クスリはリスクとも言われる」と話す。効果は大きく、副作用は小さくなるように使う。その見極めが大切なのだ。



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