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第70部・昔の常識、今の非常識

(2278)鼻血 焦らず下向き小鼻押さえる 止まらなければ病気を警戒
北國新聞(朝刊)2018年09月22日付

鼻血を止める方法を実演する中西医員=金大附属病院
 誰しも鼻血を出した経験があるはずだ。さて、どうやって止めているだろうか。「首の後ろをたたいた」「鼻の穴にティッシュを詰め込む」などさまざまあるが、あふれ出す血に思わず、服につかないようにと上を向いてしまった経験はないだろうか。

 金大附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科の中西清香医員は正しい鼻血の止め方の3原則として「焦らず、下を向き、小鼻を押える」を挙げる。特に下を向くのは意外と知られていないのではないかと指摘する。

上向き気管、食道へ

 では、なぜ上を向いてはいけないのか。上を向くと、鼻の中の血はのどを伝って食道や気管に向かう恐れがある。仮に気管に入ってしまえば呼吸を乱し、食道から胃に入ると、生理現象で吐き気を催す。ちなみに、寝っ転がるのも、上を向くのと同じ現象をもたらす恐れがあるためよくない。

 逆に下を向けば、血は鼻から直接下に向かって落ちるようになるので、のどに向かう血の量を減らせる。のどに流れた血は、口から吐き出すこともできる。中西医員は「鉄をなめたような血の味がしたら、つばと一緒に出すのがよい」とする。

 焦らないことには、どういう意味があるのか。焦ってしまうと血圧が上がり、余計に血が止まらなくなることが懸念される。また、焦りは思わぬ結果を生んでしまう。

 鼻血にびっくりして救急車を呼んだ上に、病院に着いたときには鼻血が止まっていた。うそのような話だが、実際にそういうこともあるそうだ。「周囲の人が『落ち着いて。大丈夫』と声を掛けてあげるのも良い」と中西医員は語る。

 小鼻を押えるのは、鼻血の原因箇所が小鼻の内側であることが多いためだ。鼻の内壁には、特に血液があつまるキーゼルバッハ部位をはじめ、血管が走っている。そもそも鼻血はこの血管がミリ単位で傷付くことで起きる。小鼻を押えることは、いわゆる「圧迫止血」につながり、血が自ら固まることを促す。

ティッシュは丸めて

 ティッシュを詰めるのはどうだろうか。中西医員は「ティッシュで別の傷ができることもある。使う際にはできる限り、手で丁寧に丸めて使ってほしい」と助言する。ちなみに首の後ろをたたいても止まることはない。

 3原則を守れば、鼻血が出ても大丈夫。だが、用心が必要な鼻血がある。鼻の奥に悪性腫瘍ができると、その表面から血が出て鼻血と勘違いすることがある。血液が固まる力が弱くなるのが特徴の白血病でも鼻血が出やすくなる。

 このほかにも、アレルギー性鼻炎でも鼻をかみすぎることで起きやすくなる。中西医員は「鼻血を出しやすい子どもの場合、いつの間にかアレルギー性鼻炎が起きていて、かゆくてかいているうちに鼻血を繰り返しているケースがある」と説明する。

 また、脳梗塞を予防する薬を服用している場合、薬の作用によっては止まりにくいことがある。

 まずは3原則を忘れず、それでも止まらなかったり、繰り返したりすれば病院へ行く。ちゃんと知っていれば、ちょっと鼻を高くしてもよさそうだ。



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