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第70部・昔の常識、今の非常識

(2288)大人の扁平足 放置で骨ぶつかり痛み 女性、中高年、肥満は注意
北國新聞(朝刊)2018年10月27日付

人間の足は、30以上の骨と腱で構成され立体的な構造になっている
 足の裏の「土踏まず」がない人は一般的に扁平足(へんぺいそく)と呼ばれている。赤ちゃんのころは誰しもそんな足をしているため、子どもの足というイメージが強い。しかし大人になってから、扁平足になることがある。放っておくと、体全体に悪影響をもたらす「成人期外反扁平足(せいじんきがいはんへんぺいそく)」である。

 「成人期外反扁平足は、中高年以上に多い病気です。太っている女性は特に注意が必要だ」。金大附属病院整形外科の松原秀憲助教はこう語る。

 大人の扁平足として「優れたアスリートは土踏まずがない」「スポーツ選手は扁平足の人もいる」などと聞いたこともあるかもしれない。しかしそれは、この症例とは全く違う。

 「アスリートの場合、一般的な人と比べて足の筋肉が発達している。このため、足裏が盛り上がり、扁平足のように見えるのです」と松原助教は説明する。

腱が徐々に老化

 人間の足首から下の部分は、手と同じく複雑にできている。骨の数は30以上あり、これを複数の靭帯(じんたい)・腱(けん)がつないでおり、立体的な構造をしている。

 土踏まずの部分は、骨がアーチのような形を作っている。そのアーチを支えるのに欠かせないのが、内くるぶしを取り巻くようにして付いている「後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)」だ。

 しかし後脛骨筋腱は、歳を重ねるごとに老化する。老化が進めば、腱の張りがなくなり、切れることもある。松原助教は「腱が機能しなくなれば、アーチは維持できない。結果として土踏まずがなくなってしまう」と指摘する。

 最初の体の変化は、内くるぶし周辺に生じる腫れや痛みだ。腱が炎症を起こすことによって生じる。これが進行すると、土踏まずがなくなってしまう。悪化すれば、全体重を支える足は、徐々に体の外側へ反っていくようになる。こうなると、本来は当たらないはずの骨同士がぶつかるようになり、痛みが一層ひどくなってしまう。

膝や腰にも負担

 成人期外反扁平足が起きる根本的な要因は、実はまだ解明されていない。生活しながら「ちょっと痛いな」「足首の内側になんだか違和感がある」と思ったら注意だ。ほったらかしにしていると、膝や腰など他の部位にも無理がかかって、体全体のバランスの悪化を招いてしまう。

 しかも腱は切れてしまうと、残念ながら再建するのが難しい。「ぼろぼろになった布同士を結び付けるのが難しいのと同じ」と松原助教は語る。

 ただ、金大附属病院では患者自身の足にある別の腱を移植して、傷んだ後脛骨筋腱に代わる役割を果たすようにする手術も行っている。

 それでも、やはり肝心なのは早めに症状に気付き、医師に見てもらうことである。早期発見で、まだ腱が切れていない状態であれば、手術は行わずに済むこともある。湿布薬や抗炎症薬、装具などを使って症状がこれ以上、進行しないようにする。

 金大附属病院には年に15〜20人、成人期外反扁平足の患者が訪れており近年、目立ってきているという。

 「扁平足は子どものもの」。そんな思い込みに、足をすくわれないようにしたい。



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