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第72部・体に優しい栄養学

(2316)炭水化物 2キロ減でも血糖値は改善 過剰摂取は糖尿病に
北國新聞(朝刊)2019年02月02日付

 ご飯やパン、うどん、ラーメン。「炭水化物」は人間が生きていくために欠かせないエネルギー源だ。しかし、過剰に食べれば、肥満を招き、糖尿病や高血圧などのリスクを高めてしまう。

 「3食以外に間食で炭水化物を食べてしまう人は『インスリン抵抗性』による糖尿病を招きかねない」。こう指摘するのは、金大附属病院内分泌・代謝内科の金森岳広医師だ。

菓子パンに手が伸びる

 金沢市内に住む40代男性は、仕事中に間食をするのが習慣。菓子パンやおにぎりに手が伸び、カップラーメンをすするときもある。20代まで太らなかったが、30代後半から体重が徐々に増えてきた。

 身長は1・7メートルで、体重は約90キロ。身長(メートル)の二乗で体重(キロ)キロを割って算出する「体格指数(BMI)」は標準値の22を超えて31。自覚症状のないまま「インスリン抵抗性」を伴う糖尿病と指摘された。

 炭水化物は人間の体内でブドウ糖に変化し、活動するためのエネルギーとして使われる。この時、すい臓からインスリンという物質が出てきて血中の糖の量、すなわち「血糖値」を調整する。

 糖尿病はこのインスリンがすい臓でつくられなくなる、もしくは効きにくくなることで発症する。

 男性が指摘された「インスリン抵抗性」は後者の状態。健常時と同様にインスリンが分泌されているのに、血糖値が下がりにくくなってしまう。このため、過剰にインスリンが必要になり、すい臓に負担が掛かる。さらに、高血圧も引き起こす。血糖値や血圧が高いままの状態が続くと、血管を弱らせてしまい、動脈硬化を招く。

 将来の合併症予防には、食事制限や積極的な運動で減量が必要になる。男性の場合、BMIの標準値は22。身長に基づく望ましい体重は64キロだ。26キロ減らすのは難しい。

3%減でも違い

 しかし、金森医師はわずか3%程度の減量でも血糖値や血圧に改善がみられるとする。「例えば80`の肥満者が、2`痩せるだけでも変化はある。効果を自身で確かめながら、コツコツと取り組むことが大事だ」と話す。

 金森医師によると、人間は年齢、性別、日常の活動量など個人によって必要なエネルギー量に違いがあり、「『このぐらいまでなら、炭水化物を食べても大丈夫』とは言いがたい」という。だが目安として、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」や、日本糖尿病学会の糖尿病の食事療法では、エネルギー量のうち、およそ50〜60%を、炭水化物で摂取することを勧めている。金森医師は「学会で今後、見直される可能性もあるが、自身の上限を参考として知っておきたい」としている。

  

 人間に必要な栄養には「炭水化物」「脂質」「タンパク質」「ビタミン・ミネラル」がある。しかし、取りすぎたり、足りなくなったりすると、病気を誘発しかねない。人生100年時代に、栄養にどう向き合うか。第72部の「体に優しい栄養学」では、栄養素ごとに気を付けたい摂取の仕方や病気を紹介する。



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