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第81部・目を健やかに

(2467)まぶたのがん ものもらいと思い込まず 2カ月消えなければ相談
北國新聞(朝刊)2020年07月12日付

まぶたを調べる高比良講師。がんと判別するためには詳細な検査が必要になる=金大附属病院
 目の周りのできもののほとんどは「ものもらい」と呼ばれる。まぶたにある汗や脂を出す腺に細菌が感染し、まぶたが赤く腫れる場合は麦粒腫(ばくりゅうしゅ)、脂腺(しせん)が詰まりしこりができるのが霰粒腫(さんりゅうしゅ)である。どちらも手術をしなくとも、治ることが多い。

 しかし、できものの中には、がんである可能性もあるため、侮ってはならない。

 「あれ。なんだか、まぶたが腫れているなあ」。金沢市内の中高年の女性はある日、鏡を見て、右目の上まぶたの変化に気付いた。

 ものもらいのようだが、膨らみ方が少しごつごつしているようにも感じる。「まあ、そのうち消えるわ」。痛みもなかったため、そのまま様子を見ることにした。

 ものもらいであれば、日数がたてば消えるが、女性のまぶたの腫れはなくならない。それどころか、3カ月ほどたった頃には、大きくなっていた。

 「もし、怖い病気だったら大変。診てもらった方がいい」。心配する夫に促されて、近所の眼科医院に足を運ぶと、医師が神妙な顔で言った。「細胞を取って詳しく調べて見ましょう」。生検の結果はがん。女性はすぐに金大附属病院で外科手術を受けることになった。

生存率は高い

 まぶたの病気に詳しい、金大附属病院眼科の高比良雅之講師によると、まぶたは皮膚、筋肉、筋膜、皮脂腺、汗腺など多様な組織でつくられており、それだけに、がんにも幾つかの種類がある。

 中でも、三大がんと呼ばれるのが「脂腺がん」「扁平(へんぺい)上皮(じょうひ)がん」「基底(きてい)細胞がん」である。

 前述の女性が患ったのは、脂腺がんである。眼球に必要な成分を分泌する脂腺に、腫瘍ができる病気である。高比良講師は「5年生存率は80%以上と高く、手術によって治療できる」と語る。

 基底細胞がんも、扁平上皮がんも、基本的に早い時期に見つけられれば、患部を切除することで十分に治療できる。

 ところが、この三つに共通して厄介なのは、一見するとがんと気付かない点である。

 前述の脂腺がんや、扁平上皮がんは、初期の段階では「ものもらい」に似ている。基底細胞がんは、色が黒いことが多く、目元にあるほくろのようにも見える。

 高比良講師は「発見が遅れ、リンパ節を経て肺など他の臓器に転移するケースはある」と注意を呼び掛ける。

洗顔時に観察を

 とはいえ、判別は眼科の専門医でも難しい。組織片を採取して調べる生検が必要になるときもある。

 家庭ではどんなふうに気を付けるのがよいだろうか。

 高比良講師は、「洗顔のときなど、普段からよくまぶたを観察するとよい。もし、2カ月以上経過しても消えないものもらいや腫れ、突然できてどんどん大きくなるほくろがあれば、迷わず近くの眼科医に相談してほしい」と呼び掛ける。

 まぶたのがんは決して多くはないが、誰にでも起きる可能性はある。ものもらいと勘違いしないように、まぶたのがんの存在を知っておきたい。



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